あかんたれブルース

継続はチカラかな

中国良識派の挫折と死

昨夜 のかんさい熱視線で放映された
『そして名作は生まれた 山崎豊子大地の子』誕生秘話』
は、良かったです。
この番組は
NHK大阪放送局が近畿地域圏向けに放送している
ようなので、東京とか全国には流れないみたい。
実に残念です。
はじめに、クギを刺しておきますが
盗作疑惑がついてまわる山崎豊子
中国ネタということで(しかもNHK 制作)
なにかとイチャモンをつけられるでしょうが
前者は「作家」という生業から
後者は「歴史」という観点から
わたしはまったく歯牙にかけない。

番組の内容、ネタばらしでいくと
大地の子』の誕生には
当時中国のナンバーワン実力者胡耀邦の尽力があった。
文化大革命で辛酸を味わった胡耀邦
中国の発展には自国の恥部を
さらけだらなけれぱならないとして
日中友好のため山崎に全面協力をおしまなかった。

番組では胡耀邦と山崎の三回の会談記録が
紹介されていますが、この間わずか3年で
胡耀邦は保守派によって失脚させられ
二人の間で交わされた日中友好の架け橋となる
大地の子』の完成を待たずして
三ヶ月後に死去。
その葬式で号泣する山崎の姿。

胡耀邦の追悼集会から天安門事件に発展していく。
実にドラマチックに中国は再び死んだ。
名作『大地の子』は
文化大革命天安門事件の狭間の
比較的中国がシラフのときに生まれた作品だった。

泣けたよ。
嗚咽した。
せつないやらなさけないやら、悲しかった。
最後の救いは
中国残留孤児の三世たちが
大地の子』の印税基金奨学金として
日中友好の架け橋になろうとするオチには号泣した。

天安門事件から中国は目覚ましい発展を遂げ
現在に至るけれど、日中関係は氷結状態続伸。
中国の現政権が崩壊しない限り日中友好なんて
有り得ない、と思うけれど
とは別に
種を蒔くということ考えると
小説として、『大地の子』は名作以上に
偉大な、ロマンチックな名作だと思いしらされた。

軽々しい無責な任日中友好ではなく
いつか胡耀邦の夢が叶うことを信じたい。