あかんたれブルース

継続はチカラかな

「愛と夢」は儚いシャボンか燃やせばコークス

 ジョニーが北ならペドロは南、マリーは五番線ホームの端で泣いている。
 ちょいと姐さんはあれはリリーでベッドの上だよ。

 真面目に語ります。

 闊達な明治の楽天家たちを下支えした本に「西国立志伝編」というのがあります。
 これは中村正直が英国人のサミュエル・スマイルズ「自助論」を翻訳したものです。
 大ベストセラーで中江兆民の「民約訳解」と共に明治の若者のヒロポンになりました。
 多くの若者がこの「思い込み」で躍進して坂をのぼります。
 矢沢の「成り上がり」ですね。決して「バカの壁」とか「国家の品格」ではありません。

 それとはまったく違う歩調でテンションで異質に歩み続けたのが片山潜
 彼はのちに「赤い巨星」という賞賛を与えられますが地味な人です。
 日本の社会主義・労働問題の先駆者的活動家。
 私は左翼ではまったくありませんが、彼の生き様には無関心ではいられません。

 波瀾万丈は他の明治人物列伝の登場人物同様なのですが、
 彼の場合は「ツキのないアンラッキーな男」というのが冠に付ます。

 三好徹は私の好きな作家の一人です。彼の言葉を借りれば
 「どんなに困難な状況でも達観はするが悲観はしない」
 片山潜とは、そんな性質をもった人間でした。

 人生の風雪はときに生きるより死んだほうが楽な瞬間が確実にあります。
 けれどもそうはしない。
 秋山好古が部下の永沼に語った言葉は前に紹介しました。
 「人間は、常に腹を切る覚悟を持っていなければいけない。しかし、
 そこを堪え忍ぶ、その積み重ねが人間の修行と向上なのだ。永沼よ命を惜しめ」

 私は乃木希典という人間に時折どうしぃようもなく苛立ちを感じます。
 彼は仁者という位置づけで今も語り継がれていますが、
 彼にとって何か途方もない問題や危機が迫ると、
 己の死で決しようという行動に奔る人でした。
 それが武士の在り方とは、私は受け入れられないし、私は、まったく、思わない。

 夢は生きる糧であり、喰って寝ていると肥満と成人病を併発するそうです。
 「スーパーどかん」や「センナ」でお手軽に出すものを出してしまう手もありますが、
 習慣性があり、贅肉は削ぎ落とせないようです。なんの話じゃ。

 「山守さん、弾はまだ残っとるがよ」と広能は言った。
 清廉のなかにも弾は残しておかなければならないようです。強かに