半村良は若い頃、競馬で窮地に追い込まれる以前に読んでいた作家でした。
彼の「伝奇シリーズ」は多分すべて読んでいたはずです。
『妖星伝』とか面白かったですよねぇ。彼も死んじゃいました。
最近『戦国自衛隊』がリメイクされてましたな。ははは
作風としては騙し屋で読者に感情移入させたヒロインをボロ雑巾に仕立てる佐渡奉行でした。
デビュー作に『石の血脈』(実際は短編「収穫」か)からして全開でした。
はからずも花村満月がその跡目を襲名してしまい「親爺、惚けたな」と夜道で呟く俺です。
集英社の編集者を通して、半村良が名付け親ではなかったでしょうか?
『ゴッドプレイス物語』でヒロインが
(本当は良い人だった)ヤクザと結ばれる(道具は完全改造フルメタルチェンジ)段や、
『ジャンゴ』(花村)=『石の血脈』(半村)の「破れ」。
良い子は絶対に読むのはやめましょう。
小説と「現実の犯罪」のギャプが狭まって洒落にならなくなったのですね。
さあ、どうする!花村満月。
後半の雑多なスタンスは別として、
前期にSF伝奇とは別に『雨やどり』などの人情物があります。
これが好きでした。場所は新宿、店の名前は「壷」
これだけで痺れたものです。元バーテンダーの彼の自伝的な作品です。
私は銀座の女性が苦手で、多分、分不相応な年代での経験からなのでしょ。
あれらは「誰が支払いするか」瞬時で見分けますし、その気配りはこちらが疲れてしまいます。
おいおい、俺のバック勝手に弄るなよ。どうせそれはアメ横のバッタモノなんだから。
油断も隙もあったもんじゃありません。他人の家きて最初に冷蔵庫の中チェックする輩だ。
「ターさん非道いワ私ターさんのお嫁さんになるつもりだったのに、、、。」
この台詞を聞いた時にはケツが5センチ浮きましたよ。
ターさんとは連れていって呉れたヒト。(この人が銀座好きだったのんですよ)
「おい、ミー子。一発やらせろヨ」が最初の枕詞です。(下品のようでサラッと爽やかに)
嗚呼、小説ドラマのような虚構の世界が此処にある!(涙)
まあ、こちらの修行が足らないといえばそれまでで、趣味趣向の問題といばそこまでです。
ホントは一度店でゲロ吐いた苦い失敗が鬼門にしているのかも。はは、ザマアミロ
場所が銀座でなく、新宿のせいでしょうか。
半村良の『雨やどり』『忘れ傘』のヒロインたちにはそんな香りがありました。
けれどもそれは私の単なる勘違い? 結構しっかり者だったかも、、、。
そのいいところを浅田次郎が無許可で、引き継いでいるようです。
ザマアミロ、花村満月。