みゆき嬢のシングルナンバーでも有名ヒット曲なので、あえて取り上げなくとも
と、思ったもですが、ちょっとあの娘のことが気になったので、語ります。
みゆき!マリコにそこまで見栄張ってどうするよ。
とブツブツいいながら夜道を歩く俺。今夜は月は出ていません。
しかし、このマリコという女、どこかで、、、。
浅田次郎の『天国までの百マイル』にマリという女が登場します。
新宿の安キャバレーで働く都合のいい女マリ。
水を飲んでも太るデブでネジが一本足りない気のいい女。
その厚化粧の下には愛おしく優しい「女性」がかくされていることを
誰も知らない。
この作品は不幸のどん底の主人公が母との間で、100マイルの行脚で、
見逃していた「大切なもの」を確認する。というお話です。
が、
ラストで身を引くマリがそれに追い打ちをかける二重の仕掛けになっていて、
読者を心を鷲掴みにすると夜空に持ち去ってしまう野心作でした。
作品発表時期からクスブリ時代の次郎さんがお酒は飲めませんのでウーロン茶をあおり、
場末のカラオケスナックで「悪女」を歌ったのではないか、などと
気のいい女。都合のいい女。
夜、帰宅電車の車窓から荒川を眺めるとき、たまに、
錦糸町か千住か、それとも松戸あたりで、マリという女が月を眺めている気がします。
月光は今夜も彼女を照らし続けて、それはまるで女神のようなです。
次郎さん、マリコに惚れたね。
それにしても、みゆき嬢。ちと、迷惑だぞ!
(いやこの辺の匙加減が憎いところですかね。次郎もみゆきも悪い奴)