あかんたれブルース

継続はチカラかな

実はあんまり年齢的形式に囚われなかった明治の日本人

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 杉山茂丸がテロリストとしてしか社会参画できなかった点を世代格差としましたが、
 これは社会変動の巡り合わせを指します。
 伊藤博文暗殺が頓挫すると杉山はふたつの方向性から国士としてのアプローチを敢行します。
 第一は土佐派の後藤象二郎に接近して、その取り巻きの一人となります。(能動的)
 第二は伊藤暗殺の件から杉山のバックに九州熊本の士族があるのではないかとの先方の
 勝手な思い込みから山県や黒田などの藩閥元老たちのとのルートが拡がります。(偶然的)

 そして、同郷の玄洋社頭山満との出会い。

 杉山はその生涯を「一人一党」で貫きますが、
 同時代の傑人と盟友関係を結び国家事業を裏手から牽引先導しました。
 彼らとの世代格差というべき年齢差を表したのが上記のものです。
 頭山で9歳、児玉で12歳、「シンペー!」と呼び捨てにした後藤新平で7歳。
 彼にとってジェネーションギャップは年齢差にはなかったようです。

 年齢差というものは10代の頃ならば絶対的な要素のようですが、
 年を追うごとに希薄になるものでもあります。
 また、明治を調べていきますと、現代の年齢格差の考えは
 どうも戦中戦後のもののようで(体育会系のノリというかナンなんでしょう)
 たとえば乃木と児玉は3歳の差がありますがタメですし、児玉は5歳上の桂に対しても
 タメです。山本権兵衛などは8歳上の黒木にタメなんですから。
 
 反対に海軍の八代六郎は議論で負けを認めれば年少者に弟子入りして
 生涯「師匠」と言って礼を尽くしたそうですから、なかなか大したものです。

 能力と信用第一というところでしょうかね。

 海軍の秋山真之が作戦参謀として誕生する要因もそのあたりに由来するのでしょう。
 杉山は生涯、部下とか手下、子分の類は持ちませんでしたが、可愛がった舎弟的存在に
 後藤猛太郎(後藤象二郎の息子で「百魔」中人気ナンバー1の存在)と
 SF作家で星新一のお父上・星一(星製薬社長)が代表的選手でしょうか。

 それと、杉山を玄洋社社員だったとする「怪しからん戯言」を吹かす輩がおりますが、
 杉山は玄洋社社員ではありませんので、ご注意ください。