あかんたれブルース

継続はチカラかな

『国家の品格』の品質表示に異議あり!

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 さて、ようやく『国家の品格』の時間です。
 期待してましたね。この本のタイトルには。その主張大いに良し、正にタイムリーと。
 んで、初っぱなから、あれ? まあ、そのうちに、、、途中で、あれ?、?、?、
 ときどき成る程とか、頷くところも多々ありました。が、 あら それで終わった。
 結局、最初の頁で著者の細君の弁
 「話の半分は誤りと勘違い、残りの半分は誇張と大風呂敷」というのが的を射ていました。
 ただし、本人はまったくそうは思っていないそうです。でも半分は正しいと思いますよ。
 あとの半分が間違っているのではなく、無責任だとかツッコミを入れたくなるだけです。
 この藤原さん、本職は数学者じゃなくて凄腕漫才脚本家じゃないんですか?
 読みやすいですよ。最終章は寝ころんで息子に読ませて聞かせました。
 「ここが違う」とか解説つきで、小学3年生ですが結構飽きずに付き合ってくれてましたよ。

 問題は大ベストセラーになってしまった事とタイトルが一人歩きしていること。
 (凄腕編集者が影にいたのでしょうか、しかし、品性はなさそうです)
 割とこだわって、数回に分けてネタにします。
 これがこの本の魅力でそれが主旨だったら大変な名著なのかもしれません。

 この本の罪深さは、この本が指摘するように、今現在の日本が危機的状態にあることです。
 それを是正しなければならないのに「振り子の論理」で反対方向へ導く無責任なお気楽にあります。
 酒場で泣いている女に優しい言葉をかける無責任な団塊の世代の馬鹿親爺ですね。
 
 では、いきます。

 この本で、「武士道精神」の復活を唱えています。
 「武士道」とは何か?
 この本から要約すれば、卑怯を嫌う。お金を不浄のモノと嫌う。でしょうか
 武士道といっても色々で戦国末期から徳川幕府初期までなら宮本武蔵の「いかに人を殺すか」です。
 幕府が安定政権を保っために武士たちに教育させたのが「朱子学」という儒教の流れのものです。

 「朱子学」とは南宋の時代にできたもので、この頃、元(モンゴルのジンギスカン)によって
 ユーラシア大陸は大変なことになりますが、その危機感から生まれました。
 土地神話の崩壊です。領土を圧迫蹂躙されてしまった以上、主従の関係を絶対的な思想で
 理論武装しておかないと不味かったので生まれた大儀名分論です。
 また、それを凌駕する勢力として商工業者に対して相当なプレッシャーを感じたようです。

 「お金」や「儲ける」ことは恥ずかしいこと。

 この考えはこうして生まれました。体制側の御都合主義で生まれただけです。
 元に滅ぼされて、明が生まれると中華思想が確立しますが、やがて満州民族清に支配されます。

 その頃、朱子学は日本で大いに持てはやされました。
 秀吉の経済重視から一転、家康は農業重視の儒教的国家として徳川幕府を開きます。
 朱子学はその経営の社是、スローガン、武士(社員)教育に非常にマッチしたわけですね。

 話が長くなるので、第一話の結論)

 お金に対しての嫌悪感は体制御都合主義の朱子学から生まれた。
 頭から洗脳されてしまっているので、日本人はお金に対しての付き合い方下手だ。
 この朱子学的武士道はやがて矛盾を生じて武家社会を崩壊させてしまう。
 そういう矛盾をはらんだ歴史的な立証がなされた精神を手放しで認めるわけにはいかない。

 私たちが本当に学ばなければならないのは、武士道と現代の中間に位置する「明治」だ。
 (↑)これは全編通してのスローガンですね。