あかんたれブルース

継続はチカラかな

『国家の品格』の「おかげ」で見えてくる本質と「夜明け前」

国家の品格』の「おかげ」で見えてくる本質と「夜明け前」

 ということで、藤原さんに素敵な奥さんがいらっしゃることは認めますが、
 安直な結論付けと不思議な飛躍が多々あることから「価値」を認めません。
 色々な考察の材料になる記述は沢山入っていますが、肝心のところで与太話ですね。
 雑学としては面白いと指摘したのはそのためです。

 「国品」著者が主張する「独自の国家論」等は面倒なので割愛します。
 そろそろ「TVタックル」にも出演しそうですから、そこで少しでも漏らせば、
 稲川系現実主義者ハマコー先生から罵声と鉄槌の洗礼を受けることでしょう。
 早くそれを確認したいものです。『年収300万~』の森永卓郎と同じレベルですね。

 ここまでの件で、誤解が生じないようにいくつか補足させてください。

●私は武士道や「葉隠」を否定したのではないこと。

 「葉隠」の解釈は奧の深いもので、「=死ぬこと」と誤解している方々も多いようです。
 その揚げ足を取って「死ぬなよ」とツッコミにしても良かったのですが、
 さらなるこれを誤解が生まれそうなので、やめます。ほとぼりが冷めてからのネタですね。
 また、秋山好古が「葉隠」を咀嚼していた件は当ブログの「明治いい男列伝の秋山好古」の段か
 『日露戦争明治人物烈伝』の永沼挺身隊のコラムを参照してみてください。泣けます。

●なぜ、明治と明治人に学ぶのが一番よいのか

 幕末までの武士たちは徳川封建制度で堕落した公務員とか天下り職員と同じです。
 全部とはいいませんが、8割がそうなのです。そんな武士道なんてダメです。
 明治維新とは日本文化大革命です。(これは次の機会に書き込みますね)
 そして、明治政府はそれまでのツケを背負って近代国家を歩みました。
 平成の今は幕末の天保とか慶応の時代と酷似しているでしょう。
 財政赤字年金問題、役人の無駄使いなどなど、まったく同じです。

 で、明治になって少しは改善されたか? となると実体は変わりません。

 もっと酷い状態になった。というのが実体です。

 外圧によって、革命によって、近代国家を目指して、より具体的に危機を誤魔化せなくなった。
 これが明治という時代の本質です。

 それを天才的な救世主とかが、明治の気骨が救った? そんなの真っ赤な嘘。

 当時の台湾銀行なんかもの凄い赤字でした。
 けれどもこの銀行は政治家と役人の自由に使える「お小遣い打ち出の小槌」金庫だったんですね。
 分かっているけど誰もやらない。
 それをさらなる窮地に追い込んだのが乃木希典(台湾総督)です。
 児玉源太郎(次の台湾総督)の登場がなかったら
 日本はロシアと戦う前に倒産していました。
 民間で頑張っているのは前出の郷誠之助くらいのものです。
 (「若い頃はちょっとワルだった」がタマラない明美の事情)参照下さい

 切羽つまったから土壇場の火事場の馬鹿力でなんとかしただけです。
 それも2割の日本人で。(二八の論理)参照下さい。一か八かじゃないですよ。

 伊藤博文児玉源太郎杉山茂丸などがその2割の人間たちです。
 彼らは天才でもエリートでもない。
 危機感を知った。そして、行動に移せた日本人です。
 彼らにも「武士道精神」はあったでしょう。でも、そんなものが彼らを突き動かしたんじゃない。
 腹ができたんですよ。「よし、やるぞ」と「俺がやる」と

 そこには武士道も「恥」の文化もない。
 そんなこと考えてる場合じゃなかったのです。これです。