「おそめ」から(番外-2)
すみません。おそめのどうしようもない父親の話から
の続きです。
この人はいったい何のために、この世に生を受けたのか?
と、首を捻るほどに哀れな末路です。
その半生までなら享楽に浮かれ、それを羨む人もあるでしょう。
しかし、やることなすことみんなダメ。
そして、妻に呪いをかけられて、それを恐れて謝罪して、安堵してこの世を去ります。
自業自得といえばそれまでですが。
身を持ち崩してしまう者達は多いものです。
また、成功者の多くが、こういったどん底から這い上がって成功を掴む例も多い。
それは、別の話として。
おそめの父親をみていると、
この人は、おそめを世に出すために生まれて来たのではないかという思いに駆られてします。
昆虫などで、雄が交尾した後に雌に喰われて産卵のための栄養になるように。
種の保存のために存在する生命。
天に意志があるとすれば、おそめの父親は彼女を生み出すための役割だった。
少し、怖い気分になりました。
ここから、命の話をしたいと思います。
その前に、番外でしたが「おそめ」の話をいったここで終えますね。
おそめは特別な存在です。不思議な魅力を有していた。
みな、彼女に群がりました。
すべてを手に入れた「室町将軍」三浦義一でさえも、その愛を欲し跪きます。
この右翼の黒幕が懇願した最後の愛は叶えられません。
みな、おそめを愛しました。
けれども、おそめは俊藤浩滋を愛し、周囲は俊藤に嫉妬した。
という感じですかね。