愛の十字路(6)
東三河通信さんが関連記事をアップしてくれたのでトラックバックさせてもらいます。
聖徳太子も登場されますよ。
駆け足でいきます。
結婚制度をステータスとか甲斐性に変えたのは武士階級だった。でしたね。
彼らは戦闘集団、職業軍人です。
鎌倉幕府成立から日本の施政者として貴族からその座を簒奪しました。
一族郎党で戦い、当主が戦死してもその血族共同体で「家」をもり立てようとした。
そして、戦国時代という混沌の時代を経て徳川幕府成立。
家康は「この国のかたち」を儒教(朱子学)によって再構築させようと考えた。
中国の大義名分論ですね。お家騒動は御法度。優劣には関係なく長子が相続する。
(これが大東亜戦争の敗戦によるGHQの政策まで続くと考えてください。)
これに対して商家はあくまでも母系制度を貫こうとしますが、全部じゃないですよ。
道楽若旦那の対抗措置と考えてください。
江戸期には戦いがなくなり武士階級は形式化していきます。
ただし、ここまでは平民階級の性の倫理観はまだ大らかだったといわれます。
武家奉公の町娘もONとOFFを使い分けていた。
この頃の一般市民で見合い許嫁ってあまり聞きませんね。
武家や大店の商家やひとかどの職人ならあったように感じます。
それでも次第に少しずつ幕府の影響は浸透していったかな?
豪農でない農民などはまだまだ関係なかったかもしれません。
これが、明治維新で大きく変わります。
文明開化とは欧米の合理主義導入にありますが、
日本人の傾向としてこれまでの価値観や文化をすべて捨て去ってしまう。
「江戸しぐさ」も「美しい日本」もすべて。白人になろうともしました。
常にコンプレックスと優越感に揺れる民族なのです。これには外人もびっくり。
結婚制度も一夫一婦制になります。戸籍制度の確立にもあり、徴兵制度導入を睨んででしょうか。
欧米的な結婚観にも影響されたのかもしれません。
それでも、恋愛結婚は花盛りです。山本権兵衛生も児玉源太郎もラブラブ。
乃木はストイックだから論外です。大体二分しますかね。
また、以前から浄瑠璃から浪花節などの普及で民衆倫理が確立していきます。
妻はこうあるべきだ。と。
そして、軍事バブル。
国家主義、軍国主義。「生めよ増やせよ」
私の祖父母は明治30年代生まれですが恋愛結婚で祖父は自ら養子を選びました。
しかし、その子供達は100%見合い結婚です。
恋愛と結婚がストイックなものになっていきます。
そして、崩壊。
マッカーサーがやって来て財閥(地主)解体と共に長子相続を禁じ、
均一な相続制度にしちゃった。逆ネズミ講で、資産は目減りしていきます。
養子に対するマイナス思考はここにも理由があるようです。
戦後民主主義と核家族化、個人主義に発展していきます。
結婚は自由恋愛が主流になっていきますが、
母系社会は忘れられて、形式的な過去の産物だけが残されていきます。
大した資産や家系でもないのに家名と血筋にこだわっていく。
細木和子が先祖供養(お墓)と因果応報を唱えて、
なんとなく支持される理由もここがポイントなんですね。