あかんたれブルース

継続はチカラかな

愛よりも優先されるもの

愛 の十字架(12)


 中国の春秋戦国時代にピリオドを打ったのは晋の嫡流でも斉でもなく

 西の発展途上国「秦」でした。

 この国が強力になった理由に「法」の力があります。つまり、それ以前は無法な国だった。

 一家に、嫁が嫁げば、それは一家の男達の共有物でした。
 その一家の種であれば、誰の子供でもかまわない。これが中国です。
 そのような無法を禁じた。勿論、犯罪も。

 法治は国をまとめ、強くする方法として効果があります。


   それにしても、嫁を共有なんて、なんて御無体な。と思いますよね。

   私達の「美しい国、日本」でも
   つい半世紀前、徴兵されて出征前に、種の存続とばかりに急遽婚礼が取りまとめられ
   恋も愛もあったかどうだけ分からぬままに仕込まれた種もあったとしましょう。

   夫は支那か南洋のどこかで戦死したとのお知らせが届きます。

   そこで、家族は夫さんの弟さんとの再婚を奨めます。

   なんとなく、よくある話で、筋が通っていそうですが、
   これって近親相姦って言えませんか?

   例えば、死んだはずの前夫が復員してきたらどうでしょう。
   死んだはずだよ馬太郎。
   はて?妻には二人の子供?なぜ?

   これじゃあ、秦の蛮行を笑えませんよ。ついこの間のよくあった話です。

 不倫が文化かどうかは分かりません。

 けれども愛には文化とか民度が反映されるようです。

 大正から昭和にかけて、それは確実に右肩下がりしたように見受けられます。
 もし、現在が愛の不毛の時期だとすれば文化と民度が低迷してるあらわれ。かもね。

   しかし、なぜこういった閉鎖的な婚姻関係の発想になったのか?

   ひとつは世間体といいます。ほらね、時代によって常識なんていい加減でしょ。

   けれども最大の理由は「お金」です。財産。

   戦前まで長子の一括相続でした。農家は家名というよりも土地の存続を第一とします。

   土地=米=お金

   それ以前に、家康が危惧した経済社会の浸透で、農民が土地を手放し小作人に没落します。

   格差社会が余計に「土地」の価値を高めていきます。
   もう過去には後戻りはできない。

 ポケちゃんや音夢嬢が嫁として、
 旧家に嫁いで感じた違和感はこういうところにあるのでしょう。

 戦後、GHQの政策で長子一括相続はなくなりますが、資産は分散されて逆ネズミ講
 目減りしていく。そうなると逆に執着するのかもしれませんね。大した財産でもないのに。

 たとえば、熟年再婚の障害がここにあります。
 当人たちとは別に、戸惑う子供達。思いは様々。


 愛よりも青くなるぜベイビー