あかんたれブルース

継続はチカラかな

臆病な子供

 子供を育てるうえで、その子をよく観察することは大切です。

 その意味で、父親は接する機会が母親よりも少ない。

 ましてや、学校に通い出すと家庭での子供との交流は限られてきます。

 父性の意義が危ぶまれてもいますよね。

 そして、親たちは断片的な子供の行動から、一喜一憂して事を焦るものです。
 また、他人の子供と比較したりして、個性を矯正しようとします。
 反対に、個性重視というスローガンから放任し過ぎたりとか。
 この辺の兼ね合い、サジ加減が難しいですよね。


 Kちゃんは臆病なところがあります。


 でもね、私はそのことをさほど気にしません。
 親バカだから?御都合主義?だって?

 そんなことありませんよ。私は子供の臆病は「知性の現れ」と解釈しています。
 世の中恐いモノ知らずなんて、変じゃない。
 まず、最初は「恐い」ことを知ることが必要だと思います。
 
 因みに私は学生時代に悪い仲間と付き合っていましたが、
 彼らの多くが普段は大きな事を言っていますが、いざその場になると
 足が震え、身動きが取れず、遁走していくケースを沢山みてきました。
 大人になても同じです。
 言行一致でそんなに勇気のある奴なんて、一握りです。
 むしろ、弱い人間ほど虚勢を張っていきがっているケースが多いものです。

 
 人間はなぜ恐がるのか。

 私たちは知らないことや不確定なことに恐怖を覚える。

 こんな友人がいました。
 その恐怖を持って社会に出ることが恐くてしょうがないと、
 彼は法学部に進んで弁護士資格を獲る。
 確かに法的な知識があればなんとかなりそうなのが現代社会です。
 それでも彼は満足出来ず、医学部に編入してしまう。
 彼の怯えは精神的な部分にもあったんですね。
 それを医学知識でなんとか克服しようとしたわけです。
 ついでに少林寺もやってましたかね(笑)。

 彼は優秀な頭脳と行動力があったので、レアケースかもしれませんが、
 本質はこんなものです。

 暗闇恐れるのは原始の時代から変わっていない。
 ダーウィンの進化論もおよびません。

 子供はそれが顕著です。
 むしろ、恐い事を知っていることが大切です。
 これが成長の証。まず第一歩。
 大人はそれに理屈を付けて誤魔化している。だけ

 大人にも恐いことは沢山あります。
 あの白熊先生だってパニックになったでしょ(笑)。

 勇気とは絶対に勝てる相手に鉄槌を行使するものではなく、
 その不安を胸に一歩踏み出すところにある。

 だから恐がりでもいいから、
 そこからスタートして、少しずつ克服していって欲しいと父は願う。
 武道とかいいなあと思ったのは、なにもそれが精神力を高めるとか
 技術的に相手を倒せる格闘技としての自信ではなくて、

 親が子供を観察する場として、分かりやすいからかもしれません。
 彼が成人するまでに、まだ時間があります。
 そのなかで、子供の心の変化と成長を観察する場として
 家庭と学校の他にもうひとつのファクターがあることを嬉しく思います。

 そして、叱るだけではなく、褒めたりして自信をつけてあげる。
 また、それで増長したりすればたしなめてあげる。
 親と子はそうやって一緒に成長していくのだと思います。

 だから、焦らずに無理せず信頼関係を持ちながら
 時には厳しく時には優しくサポートしていければ、いいかなあと。