情動の知性(1)受容力(其の一)
ここでいうのは「自己受容」のことです。
ソクラテスの「汝を知れ」ですかね。
だけど他人以上に自分自身が解らないのが世の常です。だから、
孫子の「己を知り相手を知れば負けることなし」とビジネス戦略に繋がるわけだ。
まず、自己受容とは自分を受け止めて認めることにあります。
幸せの方程式に「自分を愛す」というのがあります。これは真理です。
しかし、これがなかなか難しい。
個人差もあるでしょうが、やたら自分の嫌な面を抽出してしまうのが昨今の傾向です。
これが鬱の要因のひとつでもあるとされている。
結局これは「他人の芝生」であり正しいジャッジができないことなのですが、
自己否定から新しい発展とプラスの変貌があるだけに、それに苛まれる人をみると胸が痛みます。
人に優しく自分に厳しく。という日本人的な道徳理念の歪んだ解釈なのかもしれませんね。
物事には必ず長短があります。
その短所と思う所にも必ず長所があるはず。
見つめるのならむしろ、その短所に隠されている長所を探してみてください。
必ずあります。
それとはまったく逆に過剰な受容力から自分を愛し過ぎ甘やかせるタイプ。
この手の本当の問題は、自分を大切にするあまりに温室に入れてしまうこと。
これが現代の若者に指摘されているようですね。
ゲームや豊かさからすべて与えられてリセットひとつで解決できると考えるのでしょうか?
自己万能感とか、現実感を逸した高い自尊心が問題にされている。
そのために、その自尊心やプライドが傷つくことを恐れ、
他人や集団と交わることを恐れる。
自己愛もここまでいくと厄介なシロモノになるわけだ。
要は中庸なのですが、これだと両極端で混乱しそうですね。
次の記事でもう少し踏み込んでみます。