情動の知性(3)モチベーション能力(其の三)
仕事でもなんでも、
何かを達成しようとか極めようとすると必ず障害があるものです。
ひとつの壁をようやく越えると、束の間にまた新たな壁がそびえ立っている。
若い者たちと経験を積んできた年長者との違いはその越えてきた壁の数にあるのだろうと思います。
それでも個人差はありますから、
なかには迂回し続けたり先送りしたままに歳を重ねる者たちもある。
なにかの壁にぶつかって落ち込んだり凹んだり萎んだりするのは当たり前。
それが正当なプロセスだ。
挫折のない生き方を幸運などと考えるのは間違い。そこには嘘があります。
そういった挫折しそうになった時こそ、モチベーション能力が発揮される時。
魂の試されるときってやつでしょうかね。
自分の夢や志を自身のグランドデザインとしてよく把握して、
その時々の弱気や悲観や懐疑を振り払うことが大切ですね。
人間の資質にはそういうことに価値を求める特性が確実にあります。
そのプロセスのなかで、なにかをクリアしたり達成したときの歓びは体内ドーバミンの大洪水だ。
あくまでも到達ではなく、プロセスのなかの達成ですが、
その目標に一歩近づけたことの歓びは大きく、健全である。
そこに、健気な自分を発見したときに、人間は己を愛おしく思え、
自分自身を愛せるのではないでしょうか。自己受容にも繋がります。
モチベーションというと、何かビジネス用語として綺麗事に聞こえますが、
そういった健気な自分にエールを送ること。
その夢や志に強い説得力とグランドデザインの把握がカギを握っているようです。
私たちはみな青年ではないけれども、常に青春のなかに生きて往きたい。
青春とは年齢とか人生の特定の時期を指すのではなく、
その情熱を注ぐ姿勢と行動をおこせる者たちに、常に平等に
永遠に降り注いでいる季節です。
挫折という結論を出す前に、自分が青春のなかにいることを知り、
鼓舞してエールを送り勇気づけで立ち上がろう。
満開の桜のなかで。