情動の知性(5)コミュニケーション能力(其の一)
さて、ようやく本丸の「コミュニケーション能力」にたどり着きました。
「心の知性」で、これが一番、具体的で重要。
それは誰にでも理解できることですよね。
話すこと。聞くこと。
具体的といったのは、たとえばビジネスにおいて
この能力は絶対的な効果を発揮するからです。
それでも私たちは話すこと伝えることだけに比重を置いてしまう。
伝えることは本来、話す事と聞く事同等でなければいけない。
いえ、話すというアクションは聞くこと上に成り立っているから、
その時間的かつ労力は聞くことに多くを費やされるべきものかもしれません。
それほど、物事を正確に理解することは難しいものです。
それでも性急に私たちは発することを欲してしまう。
相手を説得する手段としてそれが第一なのだと。
しかし、それがさほど効果的な結果に結びついていないジレンマもある。
そこで私たちが反省するのは聞くことの不十分さではなく、
自分の話すことの手法やテクニックに問題があるのではないかと考えてしまうようです。
でも、いったい何を伝えようとしているのか。
需要と供給の場で、必要とする者のニーズをよく理解しないで、
効率的とされるシステムのなかで、そのプロセスを省いて、
提供することだけに特化してしまうのかしれません。
それで成立するのならいいのですが、
相手はあなたが思うよりも懐疑的なのかもしれません。
また提供する側の者はあなただけではない場合も多い。
城山三郎や高杉良などの企業家創業者の伝記を読むと
このビジネスの達人たちが決して話すことだけに血道をあけていたわけでは
ないことがわかります。
それでも、私たちは話すことに重点を置きます。
焦っている。
なぜ?
ひとつは、それは自分自身に自信がないからです。(其の二に続く)