あかんたれブルース

継続はチカラかな

ちゃんと謝れる? 率直に正しく

情動の知性(5)コミュニケーション能力(其の八)



 昔ある先輩がこう言っていました。

 「最近は勤め人の子が多くなって頭のさげ方を知らない」

 彼は錦糸町貸本屋の倅で、舌っ足らずの江戸弁をあやつる下町育ち。

 先輩曰く、商売人の子供は常日頃、親が頭をさげているのを見て育っている。
 そのせいか自然にそれが身についているものだ。
 
 対して、サラリーマンの子供は会社で父親がどう仕事をやっているかも、

 知らない。


 コミュニケーション能力のなかで自分の非を認めて
 素直に謝罪できるかどうかは大きな「力」です。

 でも最近の傾向は自分の非を認めないもんね。
 オンでオフでも。

 反対に苦情・クレームや糾弾は大きく浸透して
 総会屋みたいな一般市民も多いようです。
 企業のクレーマー対策はマニュアル化されて、プロの講師のセミナーは引っ張りダコだとか。
 まっ、これは別の話。

 それでも、なかなか謝れない。

 ひとつは例のグローバルスタンダード。正確にはアメリカンスタンダードに原因があるのでは、、、。

 アメリカ人は誤らない。それを認めることは自身を否定することになる。
 開拓精神で育まれたこの国の自立と独立の精神は強かです。

 もともとが遊牧民つまりはカウボーイですからね。
 働くことは牛を管理するということから出発しています。

 日本人は農耕民族なのでその辺が少し違うもかもしれません。

 それでもこういった合理主義は文明開化と敗戦による戦後民主主義によって、
 そして、国際化というトレンドからすっかり社会に根付いてしまったようです。

 ただ、どういう環境であっても、
 謝れる。という人はやっぱり偉いものです。
 それを過剰対応するのではなく、正しく判断して、率直に謝れる人。
 魅力ありますよね。

 それをやってはいけないのだ。と云う声もあります。
 法的知識などを持った人たちからそれを言われると萎みますが、、、。

 ところで、会社経営者とか各部門の責任者の一番の仕事は「責任」をとることにある。
 
 危機管理という言葉はよく聞きますよね。
 マニュアル化はされているようですが、
 最近は責任を回避させることに重点がおかれているようです。

 損だとか貧乏くじだとか考えられてもいるのかしれません。


 働く姐さん、冴子は
 早とちりで勘違いが多く人の話は聞かないし性格もああなので
 とてもコミュニケーション能力が高いとはいえないかもしれません。

 が、ひとたび仕事上での事故やトラブルがあると
 いち早く先方に駆けつけて謝罪する行動力がある。菓子折を持って。
 ダンプのようですが彼女の信用は高い。これは私も認める。
 
 私たちはどこかでトラブルやアクシデントはマイナスと考えてしまいます。
 それをどこまで小さくさせるか。

 でもね、本当に仕事の出来る人間は、そこからプラスに持っていける
 ダイナミズムがある。

 うまくいっているときよりも、何かあったときの対応に
 その人の手腕や実力が現れるものです。見ている人は見ています。

 ピンチにはチャンスの糸口が必ずある。
 見つけて引っ張ってごらんなさい。それが幸運の女神の後ろ髪なのです。