あかんたれブルース

継続はチカラかな

笑顔の禁じ手

情動の知性(5)コミュニケーション能力(其の十)



 もうだいぶ以前の話になりますが、
 ある隣人が仕事のことで悩んでいました。

 年間契約の継続をするかどうか。
 その仕事自体には意義を感じているのですが何かすっかり自信なくしているようでした。

 結果としては前向きに継続を選択するのですが、
 その後、その組織内の人間関係もしくはイジメに近いもので悩んでいることを知ります。

 その隣人仮にAさんに対して、
 口うるさく糾弾するBさんは効率性を声高に指摘し続けているようです。
 Bさんのそういった姿勢には周囲も影では批判的なようですが、
 ビジネスに特化しているような効率性という大義名分があることから、
 誰も逆らえない。
 逆にAさんはもっときめ細やかなアプローチを心掛けたいという姿勢。
 良識派タイプなのですが、それがBさんの絶好のターゲットになってしまったようです。

 Bさんは色々な場でAさんを批判することで、自分の正当性をアピールしようとしている。
 それが続いてすっかりAさんは自信を失ってしまった。

 よくあるケース、図式なのです。
 お節介が道楽の私はこう提案しました。

 ●そうやって口達者な人間に一語一句反応しても埒は開かないから
  相手に言わせるだけいって、その間に相手の矛盾を冷静に探す。
  一呼吸置いたところで、間髪を入れずその点を突く。
  言葉は多くないほうが効果的であり、そのときの最大のポイントは
  相手から目をそらさず、決して笑わない。毅然とする。

 この最後の笑わない(笑みを作らない)が私にとっては最大の勘所だったのです。が、

 Aさんはこう言います。

   馬太郎さん、それはダメなのです。
   私がBさんに対して笑顔を無くして接した時点で
   私の負けになってしまうのです。


 負け?
 なんだそれは。。。
 それと、やっぱり笑っていたのか。。。


 人間には相性がありますから苦手なタイプは人それぞれあります。
 しかし、Bさんのタイプはエキセントリックなので個別な相性問題ではない。
 それに仕事上の意見の相違なら、理詰めで必ず妥協点はあると踏んだのですが、
 それ以前にAさんの姿勢に問題があることを知りました。

 Aさんの気持ちは理解できるのだけれど、
 それだとこの問題の解決は難しい。


 笑顔で接する。

 別に悪いことではありません。

 でもね、時と場合によります。

 もしかすると、Bさんはその笑顔に苛立っているのかもしれない。

 Aさんの目論見通りに。。。

 でもAさんはそんなつもりでは決してない。必死に保とうとしているだけ。

 これは何でもない事だと。自分に言い聞かせるように。


 結果として、Aさんに私の考えは受け入られてはもらえませんでした。
 私も特に恋人でもないし、咀嚼できないものを無理強いすることはできない。
 その人にはその人なりの時期ってものがあります。
 その時点でこの話はお仕舞い。


 本日のまとめ

 コミュニケーション能力として、
 笑顔はオールマイティーの交渉スタンスではありません。