コミュニケーション能力(マー君の場合-4)
ということで、第三軍の旅順要塞本体の攻撃は8月19日に開始されたよ。
その朝の記者会見でマー君は自信満々。3ッ日でやっちゃうと。
攻撃は勿論、最短距離で最強の東北正面だ。
ところがこれが大失敗。
大量の砲弾を使って攻撃したんだけど、要塞はビクともしない。
だからその後に突撃した兵隊さんがたくさん死傷しました。攻撃中止。
理由は手持ちの砲弾を撃ち尽くしたから。
6日間の攻撃で死傷者1万823名(内戦死者5317名)
第一回総攻撃のトータルだと1万5860名の死傷者をだしちゃった(汗)。
不味いよ。これは。総兵力は5万765名ですから死傷率31.24%。
通常30%を超えると戦闘能力を失ったとみなされる。
例の東北正面では多い部隊で88%、少なくても56%。
誰が悪い。誰の責任?
司令官のマー君か、女房役で実際の作戦を計画した伊地知か。砲兵責任者の豊島か。
でもね、旅順要塞の壁の厚さはだいたい1m60cm〜2m。
第三軍が所有する大砲で最大が15cm。これじゃあ砕けない。不可能。
後に日本から送られる28cm(要塞)砲でも
同じ所に二回当たらないと壊れなかった。とういう代物です(汗)。
ここでの犯人探しは意味がありません。
誰がっていうよりもロシアの要塞が強かった。
そして、日本はそのことを知らずに無鉄砲に攻撃して大きなしっぺ返しを喰らった。
これが近代戦争。これが近代要塞。
旅順は日清戦争の時と日露戦争では泉ピン子と叶恭子の差があった。わけだ。
それでも、失敗から学ぶことはできます。
ところが、第三軍はそれをしない。
総司令部には「あとちょっと。もう少し。今度は絶対。自信有り!」
と、強気の報告を繰り返す。粉飾決心報告ですな。これが悲劇を拡大させていきます。
見栄なんでしょ。面子っていうやつ。だから最強の東北正面攻撃に最後までこだわった。
マー君ふくめて第三軍の参謀はコミュニケーション能力が欠けている。