あかんたれブルース

継続はチカラかな

こんな恋がしてみたい

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さて、頭山祭りでした。

今日は朝から雨ですね。しっとり色っぽく愛のコリーダでやるか(汗)。

新橋に「浜の家」という料亭がありまして、
ここにふらっと現れた頭山。明治20年より前の話といいます。

そして、そこに10年近く流連(いつづ)けする。
この「浜の家」の話は大正三美人「林きむ子」に絡めて以前紹介しました。
女将の花は井上馨の元婚約者。

さて、明治26年の正月にニューフェイスの芸妓が
「浜の家」に御挨拶に参ります。

洗い髪お妻。

もとは九州対馬の朝鮮奉行という高官の娘だったそうです。
なかなかの気っ風の良い「美人」でした。
「洗い髪のお妻」の「洗い髪」とは、

明治25年に報知新聞が「東京百美人写真人気投票」というイベントを主催。
その時、参加予定だったお妻は、当日事情があって髪結いができなかった。
周囲はあきらめろといいます。それにカチンときたお妻。

「美人の資格は髪の結いっぷりできまるもんじゃないんだ!」

台所にいって元結いをハサミで切ると、生卵を割って自らそれで髪を洗った。
そのまま人力車を飛ばして行っちゃったよ。会場の浅草凌雲閣に。
それが上の写真。結果は、第二位入賞!

どう? いいオンナでしょ。

これが評判になって、超売れっ子芸妓になっちゃう。
贔屓筋は、伊藤博文西郷従道、奈良原繁、野津道貫などなど。。。
現在のアイドルです。その人気で新橋に引き抜かれたんでしょうね。

で、頭山が一目で気に入った。「俺が女にしてやる」

御無体な! そのまま二階に連れていっちゃった(汗)。。。

置屋の主人も吃驚したでしょうね。
そして、昼も夜も。。。

お妻は頭山に惚れた。


お妻を目当てに来る、伊藤や後藤象二郎。待っても待ってもお妻は来ない。
頭山と重ねる情熱の嵐。963ヘクトパスカルです。
あっ、やっと来た! と、
お妻は寝乱れた友禅縮緬長襦袢のまま、フラフラだ(汗)
みんな、呆れた。開いた口がふさがらない。

それでも、みんな頭山が恐いから、何もいえません。

頭山は女にはめっぽうやさしかったそうですよ。
情事をおえて、頭山の胸に顔を埋めていたとするじゃないですか。
そこにブ〜ンって蚊が飛んで来て、頭山の胸を指して血を吸う。
それをね、彼は振り払わない。好きにさせてやる。
そういったところに、お妻のような女は惚れるのでしょうかね。

なんか男と女の格付けが違うような気がする。いいなあ(涙)

こんなお妻と頭山の蜜月にもピリオドが打たれる。

原因はお妻の浮気とされていますが、ホントのところは分からない。
相手は家橘という若い役者。後の市川羽左衛門です。
以前記事にしました。ハーフですからね。そりゃイケメンですよ。
「歌舞伎役者ってホストだったの?十五代目市村羽左衛門の素性」
http://blogs.yahoo.co.jp/djkxq447/20480788.html


別れの場では、頭山がお妻の首根っこを押さえて島田の根っこから髪を切った。
とかいう話しもありますが、家橘がお妻に惚れて「自殺未遂」をやった。
それを知った頭山が「俺は密夫にはなれないが」といったとか色々。

二人はそのことは何も語らない。

頭山と別れたお妻は羽左衛門に尽くします。その愛にも終止符は打たれて、、、。


晩年のお妻。

築地精養軒の裏で芸者置屋をやっていたお妻は、
霊南坂の頭山の家をときどき訪ねていたそうです。

頭山は「よく来たなあ」といって
お妻の世間話をニコニコしながら聞いていたそうです。
いつ行っても御飯を出す。帰るときは玄関先まで頭山は見送ったとか。

いいなあ。

結局、頭山とお妻の関係は12年でしたが、
恋敵の伊藤博文はいう
「お妻にとって、本当の男は頭山だけだった」と





杉山茂丸伝(3)杉山の友だち●頭山満[とうやまみつる]

の前説の段「頭山祭り」(3)洗い髪のお妻が愛した男