あかんたれブルース

継続はチカラかな

49歳の『七人の侍』の感じかた




昨夜はのっけから『七人の侍』でしたね(汗)。
これで6回目の鑑賞です。(17歳、25歳、30歳、37歳、44歳かな)

観るたびに印象に残るシーンが違います。
前回は久蔵(宮口精二)の最期と
菊千代が赤ん坊を抱いて「この子は俺だ」の台詞。

今回一番感動したのは前半部分の五郎兵衛(稲葉義男)が参加を表明するシーンでした。

無論、勘兵衛(志村喬)はカッコーのだけれど、
     「七人の侍」は格好いい。志村喬は格好いい。
     http://blogs.yahoo.co.jp/djkxq447/23275720.html

今回は五郎兵衛にハマリました。

ああいう笑顔は私にはできないな〜あ。
しかし、なんて優しい言葉言葉づかいでしょう。
勘兵衛と五郎兵衛の会話をずっと追っていました。

漫画家のみなもと太郎のエッセイ『お楽しみはこれもじゃ』で
まぼろし探偵』での警察隊とギャング団との銃撃戦。
殉死する勇敢な警察官に対して「勇敢な奴だ」とつぶやくギャング。
1960年代はじめの話です。

歌は世に連れ、といいますが
小説・漫画・映画のフィクションも世に連れ世相に歩調を合わせるようです。

それにしても、この七人の侍たちはみなそれぞれ個性的でしたが
最後まで裏切りに奔る者はいませんでしたね。
利害や利己に敏感なのは百姓達でした。

そういう対照的な関係が対立を招くシーンはいくつかあります。
そのとき苛つくのは中間層にある菊千代。
無学な彼の矛盾やジレンマ。
これまでは三船敏郎の粗暴な演技と感じていたのですが、よくわかりました。

「百姓は狡くて、弱虫で、意地悪で・・・」

「俺は可哀想な奴は嫌いだ」

やっぱりあの台詞は菊千代でしたね。

今回は五郎兵衛の(笑顔の)表情をずっと追っていました。
夜、勘兵衛と見回りにいくと菊千代が居眠りをしています。
二人は顔を見合わせ笑うのですが、刀を隠して菊千代を驚かせた後に、
厳しく叱責する勘兵衛。

傍らの五郎兵衛は笑ってはいませんでした。

リーダー勘兵衛の参謀的存在だった五郎兵衛。
彼がメンバーに加わるときの台詞は
「あなた(勘兵衛)の人柄に惹かれて参加するのだ」でした。

そして五郎兵衛の死。
そのとき、勘兵衛の落胆はとてつもなく大きかった。

さて、次に観るときはいつでしょうか?
その時はどう感じるのかな?




次回いつやるのかわかりませんが
『赤ひげ』は必見ですよ!