サムライの末裔たち
『マルタの鷹』(1941)を久々に観ました。
御存知、ハンフリー・ボガードの出世作であり、ハードボイルドの代表作。
原作はダシール・ハメットです。
沢田研二が歌ったボギーボギーあんたの時代はよかった。のボギーです。
ボギーはもともと悪役をやっていたのです。
ジェームズ・キャグニーの『汚れた顔の天使』(1938)では完全に悪役俳優。
身長もさほど高くはない。顔はデカい。非常にアンバランスなのだ(汗)。
でもカッコー。憧れました。煙草の持ち方とか。
この『マルタの鷹』を観て、意外だったのは
ハードボイルド作品でありながら、ボギー演じる私立探偵サム・スペードはよく喋る。早口だし。
わたしたちは考えるハードボイルドな主人公とは少し違います。
クールというより、ホットに近いんだな。
以前、『無法松の一生』から日本人の「愛」の観念普及を語りましたが、
ハードボイルドも時代と共に冷え切っていくのか?
クールの代表としてはアラン・ドロンの『サムライ』(1968)という映画ですかね。
この流れは1966年から68年のマカロニウエスタンブームに
関係していると思う。
そのブームの発端は『荒野の用心棒』(1966頃公開)。
御存知、黒澤明の『用心棒』の盗作で、それを抗議したところ
「ゴメンナサ〜イ」と素直に謝ったというからイタリア人は偉いねえ(汗)。
アメリカ人は『ライオンキング』でも謝らない。ジャングル大帝じゃないのか!
サムライ・・・用心棒・・・
そうかあ、クールのルーツは日本からなのね。
人気コミック『NANA』の台詞まわしは完全にマカロニウエスタンだよね。
いや、禅問答のようでもある。
オンナたちはクールに弱い。さて、それを踏まえて馬太郎どうする?
クールか・・・
ホットか・・・・・・
おバカか・・・・・・・・・
明日はどっちだ・・・
女性たちよ、漢を育てておくれ(涙)。其の二
もしくは『マルタの鷹』(1)