あかんたれブルース

継続はチカラかな

「青雲」の匂いはチャームかサンマか

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ビリで卒業した長岡外史の臭いでした。

正岡子規は英語がダメで結局東大を落第退学してしまいますが、
とにかく外史は数学が苦手(汗)。

ドラえもん野比のび太じゃありませんが前回の幾何のテストも0点。
追試です。わたしも何度も受けました(汗)
それなのに、のび太じゃない長岡外史は
「数学の先生になるために陸軍大学に入ったんじゃない!」

自棄を起こして、ボイコットして、落第すると言う。
となると退学になるのかなら・・・

心配するクラスメートのでき杉くんじゃない東條英教と井口省吾
東條英教はあの東條英機もお父さんでこの第一期生の首席です。
井口は後の日露戦争の参謀部長。長岡外史とは特に仲が良かった。

暢気な外史は靖国神社でお参りして、これで明日のテストは大丈夫。
なにをバカなことを!ちゃんと勉強しなさい。お酒もダメ、禁酒です。
と東條君と井口君がマンツーマンで勉強を教える(涙)。

その晩の九時、数学の中西信定先生がひょこり現れます。
そして、先生自らの個人教授がはじまった。
東條君と井口君は十二時過ぎに「では先生後はよろしくたのみます」と。
朝までこの十問を憶えろ! を先生三問に負けてください。と頼んで
とにかく徹夜でがんばった。

結果・・・

なんとその時のテストはクラスで一番でした!

なんでも、前の晩の三問がそのまま出題されていたんです。

・・・えっ? そういえば、教えていたのは数学の先生。
もしかしたら、テストを作ったのも中西先生ですか(汗)!

これにもうひとつ裏話がありましてね。
あのメッケルがさ、
「長岡を落第させるのは惜しい」と相談したのことだったそうです。
あの、メッケルがですよ。

メッケルの逆鱗にふれて退学になった根津一。
メッケルに惜しまれた長岡外史。臭うかな?

長岡外史のことを変人奇人扱いされてはいるけど、
わたしはこの人好き。
児島襄の『日露戦争』でそれはよく描かれています。こちらも全八巻(汗)
陸軍と海軍は仲が悪いのです。薩摩と長州もね。
日露戦争で、長岡は児玉の後を継いで参謀部次長を務めるのですが
海軍の軍令部次長・伊集院五郎(しかも薩摩)とよく連絡を取り合っています。
旅順攻略では長岡はずっと二〇三高地攻略主張でした。

なんといっても、あの二八サンチ砲を送ったのは長岡外史なのですからね。
この人の存在が日露戦争を勝利に導いたといっても過言じゃない。

その髭は左右からサンマの塩焼きが生えているといわれて奇天烈さんです。
世界二位の長さだったとか。変な人です。

まあ、メッケルがその髭の焼ける臭いを嗅いだわけじゃないでしょうが
長岡のチャームにドイツ人らしからぬ何かを嗅ぎとったことは
確かではないでしょうか。

だって、終生の親友である井口省吾は絶対的な藩閥嫌いだったのです。

長くなりました。
臭いというキーワード・・・
初期の陸軍で「諜報」が大きな役割を担っていた。
というか情報がとにかく無かったのです。地図さえないんだもの。
また、学校の勉強で出来不出来と現場実際の能力とは別。
ブービー秋山好古とビリの長岡外史の日露戦争での功績は大きい。
また、首席の東條英教や三番の山口圭蔵は必ずしも能力を発揮したとはいえない。

それはまた、東條英教の記事で紹介します。



ドラマ「坂の上」血風録(7)
今後ドラマで長岡の髭、どう扱うのかな(笑)