あかんたれブルース

継続はチカラかな

鎮台さんと武士道



前回の放送で松山に帰省した真之が無法な広島の工兵たちと揉めましたよね。
日清戦争以前の彼らを称して「鎮台」さんといった。
これを師団という名称にするのですがまだ普及していなかった。

徴兵令で募集された兵士は平民なので、弱い。
士族はそう冷ややかにみていたのです。それもあって、当時流行の

チンダイさんが兵隊ならば
       蝶々とんぼも鳥のうち

という唄を歌って真之はからかった。挑発したかな?


私の母方の正義爺さんは明治生まれで、大正の頃に徴兵を受けて
熊本の鎮台さんでした。(父方の爺さんは鹿児島の連隊)。

幼い頃、正義の爺さんはわたしを膝のうえに置いて
よくこんな唄を歌ってくれました。

  熊本鎮台 糞鎮台
 
  鉄砲もって 何処行くっとが(どこへ行くのか?)


行軍する鎮台兵をながめる庶民農民の視線を
自嘲気味に歌った感じですね。
この頃でも鎮台さんに対する評価は低かった。わけです。
いっちゃなんですが、
日露戦争の陸軍師団で九州の師団、つまりは第十二師団は最強なのです。
最強軍団の黒木第一軍の中核を成した。

最弱は大阪師団でした(汗)。
最強を広島師団という人もいます。色々です。
もっとも弱い軍団は救世軍ね(笑)。


爺さんの膝の上で聴いたこの唄。もう五十年近い前の話ですが
まだ憶えているもんね。

ドドドドレドドドドレミファド ド、ド、ドドドドレレレのレ

といたって単調なメロディーラインだった。

まあ明治は、単純明快ですものね。


しかし、真之の父はうまく揉め事をおさめましたね。
罰金50銭。
武士ですよ。武士の在り方。
武士道ってものをそう単純に考えていけないよね。
とっても沁みたなあ。

Kちゃんがニヤニヤして、
ねえパパ、50銭ってどれくらい?と聞く。
アンパンが一銭だってことだから五千円ぐらいかな。というと。

それは妥当だね。と言っていた(笑)




ドラマ「坂の上」血風録(12)