あかんたれブルース

継続はチカラかな

これは譲れない。



さて、ロンドンに渡った是清を救ったのが
ニューヨークのクーンロエプ商会代表者シフというユダヤ人商人でした。
これに関しては『坂の上の雲』にも詳しく書かれています。
また、O〜MAさんの記事もあわせて読んでみてください。
http://blogs.yahoo.co.jp/nkydr632/49946455.html

これで成功したかにみえた。がしかし、
英国の投資家は関税を担保にするという条件を出します。
日本の信用を問われたのです。
関税を抵当とするということは、
清国の税関に英国人管理人をおいているように日本にも派遣される。

それで話がまとまるのならなんら問題はないんじゃないかと思うでしょ。
いまのわたしたちの発想からすれば・・・

でも、是清はこれを絶対に受け容れない。
是清の主張は、これだ。これを英国のアングロサクソンに言い放った。

「一体、貴君らが日本と支那とを同一に見ることが間違っている。
 日本政府は従来外債に対して元金利払い共に一厘たりとも怠ったことはない。
 ただに外債のみならず、内国債でも未だかつて元利払いを怠ったことはない。
 それを支那と同一視されては甚だ迷惑である。」

この言葉のなかにある「支那」という言葉と、それに対する差別意識
問題にするのは間違いです。
是清の考えを頑固と考えるのも考えものです。

国際的な信用を勝ち取りたいがための日露戦争だったはずです。
少なくとも是清にとっては
そして、不平等条約改正という大目的があった。
そのうえでの「国家の危急」だったのです。

それで交渉がパーになったら大変?
御心配御無用。是清はこの条件を吹っ飛ばして英国投資家を納得させた。

そのうえでの成功なのです。

これが明治人の気骨と胆力。なんだ(涙)
これがいまのわたしたち日本人に欠けている。

また、この発言に民族主義云々を嗅ぎとって心配するのも間違い。

国家の品格』で拝金主義に警告を鳴らしていましたが
お金が悪いわけじゃない。使う人の問題です。
その意味で、是清は一流の経済人でもあった。
その彼の言葉からわたしがとても感銘を受けたもの、

「元来、米国人が金銭を尊ぶのは、私の見るところによれば、
 金銭それ自体を尊ぶというのではなく、かの民族特有の、
 きわめて強い個人的独立心からきているもののように思われる。
 この点に十分注意してもらいたい。」

ここに、米国人が絶対に自分の非を認めないという
特性の理由もあるかと思います。

その民族にも特性はあり、それには長短表裏があるもです。

先の発言で、是清がただ単に清国人と比較して日本の優越を説いたのじゃない。
そのことだけは、わかってね。


是清の最期の言葉は

「話せばわかる」

でした。

楽天家の最期の言葉として、相応しい。
決して甘くなんかない。
眩しい言葉です。