あかんたれブルース

継続はチカラかな

『龍馬伝』の先にある楽しみ方

なんか昨夜の『龍馬伝』は良かった(涙)。
生瀬勝久演じる吉田松陰がとっても良かった!

あの長い台詞に感動した!

吉田松陰はああでなくっちゃね。


最近、モラトリアムな龍馬にヤキモキしていました。

龍馬がフリーメイソンに操られていたという本がある。
そのなかで、龍馬は剣術修行で江戸に来たのではなく
土佐藩の隠密スパイとして江戸に来ていたと指摘していました。
(ドラマでも『竜馬がゆく』でもスパイめいたことはしていますが・・・)

それはさておいて

司馬さんの『竜馬がゆく』でもこの頃の龍馬が何をしていのか不明。
とすして困っている箇所がある。

スパイ説はさておいて

龍馬は溝渕広之丞と共に江戸に向かいましたよね。
この溝渕は土佐藩の御持筒役で、既に一年前から佐久間象山に入門して
西洋流砲術を学んでいた。

龍馬も剣術より砲術を学びにきていたのです。
実際に佐久間象山に入門している。

これが勝海舟との結びつきにつながるのですね。


日本の西洋流砲術(の流れ)は

高島秋帆高島流砲術) → → →・→ → → →・
 ↓               ↓       ↓
江川太郎左衛門        下曾根信之    島与助(土佐藩士)    
 ↓               ↓       ↓
佐久間象山     (土佐藩士)徳広孝蔵 → 坂本権平・龍馬兄弟
 ↓
勝海舟・・・そして→坂本龍馬 と結ばれる。

龍馬の兄権平は安政二年に徳弘孝蔵の門下生となり奥義を許されている(資料有)。
龍馬が象山の塾に入門したは嘉永六年(1853)。
前後して土佐藩士(郷士も含む)15名が入門しています。

だから、龍馬は別にうすらぽかんとしていたわけじゃない。
そうそう桂小五郎は「練兵館斎藤弥九郎先生のもとで塾頭をしていましたよね。
この斎藤弥九郎先生は凄腕の剣客ですが
西洋流砲術家江川太郎左衛門神道無念流田吉利の同門で
江川の資金援助で「練兵館」を開いた。
その後、江川が伊豆国韮山の代官となると、江戸詰書役として仕え、
同時に西洋流砲術を学んでもいた、人なのです。


剣術だけじゃなかたんです。
そういう所に、桂は学んでいたわけです。

だから、
昨夜の『龍馬伝』で、松蔭密航の現場に桂と龍馬が現れるシーンは
「またまたドラマだろ」と思うかもしれないけれども
そこにはこんな図式があり、

佐久間象山(塾)→吉田松陰松下村塾)→(弟子)桂小五郎----斎藤弥九郎
      ↓ (兄弟弟子)
      坂本龍馬

そんなに荒唐無稽じゃない。

飛躍的な陰謀とかフィクション・SF・オカルトカルトでもないんです。

飛躍させなくても史実で充分楽しめますよ。




分類は「若宮」
明治男前烈伝(10)堀川辰吉郎(11)番外-5

以上は加来耕三『前島密坂本龍馬
新人物往来社高杉晋作をめぐる人々』などを参考にしました。
また、加治将一の『あやつられた龍馬』では
龍馬が土佐藩のスパイだったとセンセーショナルに取り上げていますが
スパイという認識が現在のそれと幕末では性質が違いすぎる。
明治の前半までは軍人から商人、宗教家、芸術家すべてがスパイです。
そしてこの頃は今風にいえばみんな「右翼」じゃ!
フリーメイソン云々についてはまた機会をみて語ります。