あかんたれブルース

継続はチカラかな

児玉は西瓜じゃない。裏の杉山と同等!

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落合氏が川上操六を薩摩ワンワールドのリーダーにできない事情には
その後継者が長州の児玉源太郎という事実もあるでしょう。
参謀本部の実務(実権)は参謀総長というよりもこの次長にある。

川上が急逝した後に田村怡与造が引き継ぎました。
今信玄といわれた田村でしたが
対ロシア戦争を前提にした作戦・戦略の構築に過労死してしまう。
精神的にも追いつめられたのでしょう。
ロシアは国力差約8倍、通常兵力15倍の大国です。

児玉はそれ以前に内務大臣・陸軍大臣などを歴任兼任していた。
参謀本部次長職は官僚世界では二段階降格の人事なのです。
それを児玉は引き受けたわけです。ここに児玉源太郎の真骨頂がある。

古川薫氏の『天辺の椅子』では
児玉が桂太郎をライバル視している件が二、三箇所描かれていますが、
児玉はそんなケチな根性じゃない。
少なくとも桂よりは二枚も三枚も大きい。
後で、触れますが山本権兵衛よりも一枚大きい。

福田和也は『乃木希典』で
「児玉のような男は現代でも何人もいるが、乃木はいない」と書いた。

いや、児玉源太郎のような男はそうそういないよ。

児玉を川上操六の後継者とするのは
その情報重視主義を引き継いだことです。
福島安正、青木宣純、明石元二郎などを使って情報収集、諜略、破壊・混乱
諜報活動については知られています。
児玉の凄さはそれだけではなく
海底ケーブル施設船「沖縄丸」を発注し、台湾、佐世保・東京、朝鮮、北方領土などの
通信システムを完備させたことです。
これは日本独自でやらなければいけない。
なぜなら外資系企業に委ねればその情報がロシアに漏れるからです。
現にそれを目論んでいたデンマークの「大北電信」のバックには
ロシアがいました。
バルチック艦隊を撃破した功績に「敵艦見ユ」の通信システムがあった。
それは児玉源太郎が施設完成させた無線ネットワークなのです。

その意味で児玉の存在は川上よりも大きい。
日本陸軍の情報戦略は川上が作り児玉で完成され、福島安正で挫折するのです。

児玉は軍令だけでなく軍政までも視野に入れられる
まさに100年に一人の逸材だった。

けれども、落合氏は薩摩ワンワールドのリーダーを川上操六にできなきのは
その後継者である児玉が長州の実力者であるとするからです。
だから川上ではなく高島でなけえればいけない。
そして上原勇作に続かなければならない。
ここに「薩摩ワンワールド」という最初のコンセプトに無理がある。

落合氏のコンセプトにはギンズルという女性を通じて
薩摩閥の地縁血縁が裏付けとなっている。
そこに、ワンワールドという結社に「薩摩」の冠を付ける意味が出るわけです。
落合氏も川上や児玉の能力実力を無視してはいないのですが
問題は児玉が長州私藩の福山藩出身(長州閥)であるから
どうしても児玉は杉山茂丸に因果を含められた手先であって
その杉山のバックには高島鞆之助が控えていなければならない。ここが辛い。


私見になるかもしれませんが
児玉源太郎は長州出身者ではありますが
長州閥者ではありません。
長州閥といっても複雑なのです。問題はその首魁である山県の問題。

山県には様々な敵がいた。(嫌われていたのです。同じ長州人にも)
それらを駆逐して長州の陸軍の法皇となった人物です。
この山県の主流はに対する長州の反主流は
山田顕義、三浦梧楼、鳥尾小弥太、堀江芳介、児玉源太郎、井上光など

児玉は山田顕義に引き立てられ頼りにしていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E7%94%B0%E9%A1%95%E7%BE%A9
が、山田は陸軍の政争に敗れ、伊藤博文を頼って軍隊を離れる。
陸軍で孤児なった児玉を長州閥とみて虐める反山県派の土佐の谷干城
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B0%B7%E5%B9%B2%E5%9F%8E

左遷官職に追い込まれているときに、桂太郎が助けてくれた。
それが縁で桂の親分の山県に身をゆだねるのですが、
決して、山県派とか長州閥というケチなものではない。

長くなるのでそれはおいおいまた記事のなかで紹介します。

そして、落合氏のもうひとつの見落としは
海軍の山本権兵衛(薩摩)の存在。

次回は児玉と山本の関係を紹介します。



分類は「若宮」
明治男前烈伝(10)堀川辰吉郎(13)近現代史のなぞなぞ(3)
児玉源太郎の存在の捉え方(1)
児玉は西瓜じゃない。
裏の杉山茂る丸と同等で大風呂敷じゃないと包めない。
これは児玉源太郎杉山茂丸後藤新平の公式。
試験に出るぞ!