あかんたれブルース

継続はチカラかな

穿った見方を追い払え

イメージ 1



自民党から離党して新党「たちあがれ日本」が旗揚げしましたね。
そこで指摘されるのが代表の平沼さんと共同代表の与謝野さんの
政治姿勢が違い。
具体的には郵政民営化法案のときの話を持ち出されます。

マスコミも政治家もそこを矛盾点としてあげる。

時事ネタは極力避ける馬ちゃんだけど、「そうかな?」と違和感をもってしまう。


仁義なき戦いの完結編で、松方弘樹演じる市岡が不倶戴天の宿敵大友勝利に
「大友さん喧嘩はいつでもできる」と盃を差し向けるシーンがあります。
これを双方の利害の一致と読むなら、そりゃそうでしょうけれど
もうすこし深いニュアンスもある。その舞台、昭和40年代にあった。

中川昭一元大臣が自殺したときに鈴木宗男が泣いていた。
あの映像を見て「芝居さ」と感じた人は多かったと思う。
中川一郎死後の中川家との確執を知るものなら、当然そう感じるかも。
でも、わたしはそうは思わない。

時代と年齢というものを感じました。


頭山満についてです。
右翼の元祖だという。国粋主義者とか国家主義者とか

ウィキペディアをのぞいたら面白い写真が貼られていた。
左から大本教出口王仁三郎、頭山、そして門下生の内田良平です。

当時、政府から大弾圧を受ける新興宗教の教祖と右翼・国粋主義者
記念写真。実際、大本教玄洋社はそう悪い関係じゃない。

戦後ジャーナリスト的な発想で解けば、そこに「利害」を指摘するでしょう。

でも、頭山とか黒龍会の内田は国粋主義者国家主義、右翼なのだろうか?

頭山も内田もアジア主義といわれます。
フィリピン独立運動孫文の中国革命、インド独立運動などを応援していた。
国益という名の利害の一致があったから?
まったくなかったとはいえないでしょうが、はたしてそれだけだろうか。
布引丸事件も廈門事件もそんなところから生まれます。
どちらも英米を刺激するので政府としてはヒヤヒヤです。迷惑!
ま、参謀本部の川上操六、児玉源太郎はそうじゃなかったみたいですけどね。
利害か、陰謀か?

玄洋社が民権運動から国家主義に変わるは明治20年の長崎事件が発端。
しかしだな、明治22年には条約改正に反対して大隈重信に爆弾を投げている。
しかも、その爆弾をこしらえたのは過激民権家大井憲太郎。

その自由民権運動の大元締め中江兆民と頭山は親友であり、
兆民の弟子幸徳秋水大逆事件で死刑。(山県の陰謀であったとしても)

その山県有朋の息の根を止めたのが、頭山満だ。

それは、杉山茂丸にしても後藤新平にしても同じ。
二人は無政府主義者大杉栄を援助していたりします。
杉山を玄洋社社員とか頭山の子分、右翼とするのは根本から間違っている。
後藤をして「赤い男爵」とするのもどんなものだろう?
それぞれが独立した個を有している。

右翼とか左翼で区分けできないんだ。要は

そういった区分けで歴史や人物を納得しようとするから
無理が生じ不自由になる。

また、彼らが利害だけで行動の選択をし、協力したり対立したわけじゃあない。

家が火事で子供を助けないといけない場面で
荻野式でいくかヘボン式でいくかで揉めているは愚か者なのだ。
あの人物のチンコは右向きだ、いや左に向いていた、とか
宮崎駿は左翼思想だとか、司馬遼太郎は右だいや左だとかの指摘も変。
ましてや、郵政民営化に賛成だった反対だったもさほど大きなことじゃない。
共産主義が悪いのでも資本主義が悪いのでもない。
イデオロギーの問題じゃない。要は人間なのだ。
どんなにすばらしいシステムでもダメにしてしまうのは常に人間の仕業。
業というものなのかもしれない。

杉山もロシア革命を応援していた。
実際にレーニンを封印列車に乗せたのは杉山だと言われます。
そして革命が成功したときに杉山は叫んだ。
レーニン万歳!」
と同時に、反革命反ユダヤ主義者のホルワット将軍を担いで
レーニンに対立する。電光石火の早業です。
その杉山の右なのか左なのか判断のつかない行動原理に混乱するあまり
権謀術数のマキャヴェリスト、フィクサー黒幕として
得体の知れない恐ろしい人物と片づけてしまう。

ひとつは時代だと思う。
そして、彼らは自由だった。
右とか左とかそんなものに縛られない個を有していた。
その個は利害にも縛られたい。

そして、彼らは過激だった。




分類は「若宮」
明治男前烈伝(10)堀川辰吉郎(14)上原勇作疑惑(2)