あかんたれブルース

継続はチカラかな

そのへんの手法がセコイ



というのも、秋山は騎兵科、上原は工兵科の出身。
どっちかというと砲兵とか歩兵科が主流でエリートコース、花形。
とくに工兵は黒鍬者と蔑まれていた裏方さんです。

これも恩師で岳父の野津から「工兵に行け!」といわれて「はい」だった。
と書かれてあるけど
実際に上原が工兵の重要性を認識したってことだって否定できない。

当時の工兵学って学ぶことがたくさんあって大変だったようです。
参謀本部附や連隊勤務でなかなか極められなかった。
それが故に、旅順攻略に間に合わなかったと上原は後々まで後悔していた。

別に女に現をぬかして勉強をサボっていたわけじゃないでしょうに。
日露戦争では参謀長ですから戦術研究もやっていたわけだ。これは確か。
大変な読書家で勉強家、インテリ、学者肌の軍人です。
そのことと、あの野津の娘婿という点でどうもなっとくいかない。
ピンとこない。

いや、わたしがしっくりいかないのは元大阪日赤病院の看護婦・玉木常磐
なのだけれど、

落合氏が引き立てたいのはギンズルがあてがった日高家血縁の某女だ。
玉木常磐はその引き立て役でしかない。
この日高某女は、叔母ギンズルと甥上原の連絡役であり監視役でもあったと。
なんの監視役かというと、
上原が真面目に勉強しているか、とか
変な女に引っかかったり現を抜かしたりしないか、だと。
そのためのケアもしたのだと。

でもそういう論法だと、上原はまるでダメ男(古いマンガのキャラ登場)
それだと馬太郎と変わらない(涙)。
しかしさ、上原の境遇や性質、経歴をみると若い頃からしっかりしている。
どちらかというと面白みのない男です。

そんな現代ッ子じゃあるまいし
浅田信興じゃあるまし、津野田是重じゃああるまし、ましてや・・・まあいいや。
フランスでポンピドー牧師の娘とデキたってかまわないんだ。
別に夜のスラッガーでもいいんだけれど、
落合氏のこういった論法が下世話で全体をへなちょこりんにしてしまう。
これが不味い。

また、川上操六がギンズルと肉体関係があったしているが
その年の差を差し引いても
あの川上操六が・・・想像できない。
わたしだったら川上操六と桂太郎がデキてたってほうが信憑性があるけどな。


男女の仲は、他人がどうこういえるものではない。
だから、そこで意外なネタを持ち出されると怯んでしまうこともあるかも。
でもさ、そういったことと別次元だと思うのです。
それを持ち出して推理の裏付けにするのは、下品というか
すべを反古にしてしまいそうで危険。だなあと思います。

落合氏の上原スパイ疑惑は充分に賛同する者として
これは誠実な忠告、だ。



分類は「若宮」
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