あかんたれブルース

継続はチカラかな

借金の威力と効用



てけてんてんてん 本日は借金の話で一席

日露戦争奉天会戦の直後の話です。
児玉が本国に残して自分の耳目と託した杉山茂丸
陸軍機密情報漏洩を察知して、はやく講和に持ち込まないと大変と
尻をたたいた秘話があります。
(日本にはこれ以上戦う金も兵力もない)
これがドイツの参謀に知れた。ドイツとロシアはツーカーですからね(汗)

で、児玉に電報を打ったあとに、桂を説得する場で
アメリカに借金をしろという。

桂「なぜ?」

アメリカに借金をすれば、英国も金を貸したがる
英国がまた貸せばアメリカのまた貸したくなる。
通常、借金漬けだと破綻と連想するけれど、杉山はそうは考えない。

すこし、話を転じて
若きカエサル(シーザーのことです)は借金王でした。
なんに使ってたかというと、交際費(まあ女性関係が主ですが)
もの凄い額です。で、それが巨額になって
金貸したちがカエサルを援助するようになります。
カエサルが破綻しちゃうとすべてパーですからね。

ここで、借り手と貸し手の立場が逆転しちゃう。

仁義なき戦い・完結編』で「借金も財産」という福音があるけれど
軍事力で張り合うよりも、借金を人質にするという
杉山の発想ってどう?

日本は列強諸国の一員になりたくて必死に突っ張って頑張った。
でも、軍事力だけじゃだめないんだなあ。きりがない

日本が保有する米国債とか結構な額だと思いますけどね。
それを売るぞ、と脅すのではなく
ぐじゃぐじゃいうと潰れるるかもしれないよ(涙)とかね(笑)
なに日本の信用?
円高が是正されていいんじゃないの?

まあ与太話ですから、そうマジに受け取らないでください。

発想を少し変えてみると、って話ですよ。
あの杉山だって、そんなことを考えた。借金を抑止力にしたわけだ。

テレビでこういったネタのときに必ずデジタル表示で毎秒借金が増える絵を
みせて煽ります。どうするニッポン!って

口説き文句に
「ボクの云うことが嘘だというなら ボクは君に永遠の嘘をつく」

永遠の嘘は真実になる・・・ なんちゃって(恥)

次世代に負の財産を残すな。これは正論だと思う。
かといってどうすることもできないでいるわけだ。しなきゃいけないけどできない。
騒いで煽っていても仕方ない。発想を変えよう。

で、日露戦争後に南満州鉄道を米国のハリマンというユダヤ人実業家に
売却するという話がありました。桂も井上馨も大乗り気。
賠償金も取れなかったし、米国と共同参画だと都合が良い。と考えられる。

でも、小村寿太郎が大反対だった。

今日の歴史認識ではこれが小村の大失策とされています。
でも、どうだかね?
一見、杉山の発想とは正反対のようだけれど、そう単純じゃない気がする。

坂の上の雲』で小村は米国のインディアン排除戦略を考察して
「我々は途中まではイロコワ族になるが、イロコワ族の二の舞は踏まない」
というのがあった。小村には小村なりの算段があったと思いますよ。
たとえば、日露戦争で日清同盟が危険だったように。

小村の誤算は、そのあとすぐに自分が死んでしまったことですね。
杉山の誤算は、児玉が急逝してしまったこと。
日露戦争の後で、日本人は変わります。
二割でよかったんだけれど、それが0.00000001か2か3か4・・・
欠けた。
逆転現象が起きたんだんだな。

で、上原みたいなのが台頭する。




「青空会議」疾風録(4)近現代史は語る(1)