あかんたれブルース

継続はチカラかな

八切史観はテキ屋の口上

(八切史観-1)
伊藤博文日韓合併した時
(八切史観-2)
>明治軍部山県有朋の直接命令
で、
>『あれは明治軍部山県有朋の直接命令で、御用歴史家が集められて、ただ書いたにすぎない』
>と勇気あるというか正論を述べたのは一人もいない。

とトドメさしていますが、

伊藤博文は最期まで日韓併合・合併には反対だった。
合邦にさえ。
この伊藤を、日韓併合のシンボルとする現在の歴史史観こそ、変だ。
韓国がそれを宣伝する以上に、日本人がそうイメージすることこそが
おかしな話ではないだろうかな。

このことは、まともに歴史に興味をもった人なら誰でも理解できる事実ですが、
不思議なことに「と勇気あるというか正論を述べたのは」少ない。

今年は安重根による暗殺事件から百年祭(?)とかで
韓国では民族の英雄として祀られていたニュースや特番がNHKでも放映されていましたが、
安重根は殺した相手が韓国併合に反対していた日本の元老を理解していたのか?
それとも、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いで、日本の帝国主義の象徴としての
パフォーマンス・デモンストレーションだったのか。しかしその結果は・・・

このことに対して、問題提議されことは少ないけれど、
犯人が安重根ではなかった。という謀略説はよく出ます。

そのひとつが軍部とか参謀本部で、その裏に山県があいる。とか
杉山茂丸がいるとか、です。
また、日露戦争開戦に積極的でない伊藤に不満をもつ外務省の山座円次郎が
玄洋社と画策して殺ったとか。
軍部、参謀本部説は可能性として高いと思います。が、
山県とか山座ルートの玄洋社は的はずれだと、わたしは憤慨するものです。
こういった陰謀説は短絡的で本質を見失わせるプロパガンダともいえる。

また、「明治軍部山県有朋の直接命令で」やったという
『日韓同祖論』をみなさんはどう思われるか。
山県がやったやらせた云々は別として、
『日韓同祖論』はトンデモ論なのだろうか? 

人類みな兄弟というのも変ですが、原日本人に対して鉄器をもった騎馬民族
大陸から弥生人として海を渡ってきた云々はすでに馴染みあるお説です。

八切止夫自身も、それを高句麗系から新羅系の征服支配混血を展開させている。

 また、馬太郎史観で付け加えるなら
 日清戦争、決定的には日露戦争勝利まで、日本人の意識として
 朝鮮人支那人に対する差別はなかった。
 別に同祖論でもそんなに誰も驚かない。

 どっちにしろ、それを利用して併合したのですけれどね。
 合邦であって、それを望んだのは旧体制の朝鮮李王朝に期待できない
 朝鮮独立家の求めるところでもあり、それが東アジアの保全と連携から
 欧米帝国(植民地)主義からの防衛手段だった。その当時の話ですよ。

 山県は確かに陸軍の法皇といわれキングメーカーとして君臨したが、
 その軍部とは、なにか? それは軍隊を指すのではなく、
 陸軍「参謀本部」である。(関東軍はタテ割りの別組織と考えたほうが無難かも)
 この陸軍大学出身者から占められたエリート集団は、
 日露戦争後、児玉源太郎死去に、変容していきます。いや、変身といっていい。
 一気に変わった。

 組織が人格をもって、それを形成する個人がそれに呑まれていきます。
 しかし、組織の責任は見えづらく、個人に目を奪われやすいものです。
 山県や寺内を決して立派な人間とはいえないけれど、
 かといって暗殺された原敬がそれ以上に立派、ともいえないし、
 そういったなかで、この参謀本部というエリート集団と官僚たちの
 暗躍と謀略と増長と暴走の隠れ蓑になってしまうのは不味いと思う。

 個人から組織という集団が人格をもった。
 集団はある種、大義名分のもとに個人としての責任を希薄にするものです。
 みんなで渡れば恐くないし、そういう雰囲気に流されてしまう。

歴史教科書の問題をガミガミいうけれど
わたしは、そんなところに問題はあまりないと思います。
(お叱りを受けそうですが)
なぜなら、教科書で学ぶことなど大した問題じゃない。
わたしもそうだけれど、教科書で教わったことなど屁のように忘れいる。
ましてや、今現在、学校で歴史は教えていない。といっていい。
これが大学入試の必須科目だったら話は別ですが、
だとしても、無味乾燥で暗記だけの受験生は試験が終われば
きれいさっぱり忘れていますよ。

歴史に興味を持たれない日本と日本人。
それを通説からちょっと外れたことをいうと批判される環境。
でなければ、飛躍させて陰謀説につなげる風潮。

こういったところがもっと問題で危険なのだと思います。

話を戻して、八切止夫のテーゼは「ハッタリ」だと見るべきでしょう。
物書き家業人のテキ屋の口上のようなものです。


ああ、また長くなってしまった。記事をあらためます。