あかんたれブルース

継続はチカラかな

史学的な日本人の性愛の捉え方



落合莞爾氏が提唱するように、近現代史を解くカギは
杉山茂丸堀川辰吉郎だという意見にはわたしも賛成です。
(蛇足かもしれないけれど、そこに飯野吉三郎も加えたい)

松本清張佐野眞一も近いけれど結局はニアピンどまりなのだ。

江戸幕府も七代将軍吉宗の頃になると綻びが生じてきます。
貨幣経済が支給自足の農村社会にまで浸透していきます。
家康が危惧した商工業の発達です。
それを幕府は緊縮政策でなんとかしようとしますが、結果的にどうにもならない。

現在の日本は少子化問題を抱えていますが、
この頃から、不景気による中絶が盛んになってきます。
これに対して、幕府も是正措置をとりますが効果はありません。
避妊の意識もなければ、家族計画という観念のないし、スキンもない。

ましてや、財産分与は長子一括なので二男三男は厄介者です。
これは士族の世界でも同じ。

飢饉や、財政疲弊に対して有能で酷薄な官吏役人は8割の(農民)国民を
追いつめる。と、松本清張は解説してくれます。

子供は国の宝。

のちの時代の富国強兵もすべてのキーマンは子供という未来の国民にかかってくる。
現在の財政再建でもこれは同じですよね。

人口問題とか食糧問題、環境問題とか色々問題はあるけれど、
子供の誕生を求めない、よろこべない社会っていうのは
道義的とか道徳的以前にダメなのですね。

そのために豊かさが必要だとしましたが、
豊かになったらなったで、
子供の誕生を求めない、よろこべない社会になってしまった。
これは国の政策云々とは平行した問題でもある。

わたしが以前から不思議に感じていたのは
日本人の性愛についての意識変容です。

いつ頃からこうなのか、血胤を非常に気にします。
戦前生まれのわたしの母親も「血は水より濃い」とか
「血ほど汚いものはない」(たぶん煩悩を意味するのでしょう)
とよくいっていました。

別に高貴な血筋でもないんだけれど・・・

それは以前からこのブログでも商家は娘婿をとって女系で家を守った。とか
武家は非常に養子が多かった、とか。
現在とてもナーバスな血胤至上主義の抜け目的な仕組みがあったと。
割と曖昧なものだと記事ネタにしてきたものです。

それと、農村部では「夜這い」という風習があって
女性は、複数の男性たちに共有されるものだった。事実がある。
これ、今の倫理観からみたら仰天する不道徳になるかも。

岡本技研なんてありませんから、当然そこで妊娠する場合もある。
でも、かまわない。

この状況は都市集中型社会になるまで現存してたというから、驚きです。

男女機会均等法の施行に前後して「不倫」は文化とまでいわれ浸透しましたが、
それ以前から働く女性とマメ男の宿命として存在していたと学びます。

けれども、それとは別に、一般的な感覚で男女の恋愛には損得がつきまとう。
そこには
キズモノにされたと処女崇拝があったり、
生まれる子供の扱い、つまりは経済的な問題とかです。
シングルマザーの経済的、精神的、疲弊は大きい。
都市型ライフスタイルというか核家族化の影響もあるとしても、
性愛教育というかメンタル的な捉え方にも関係しているのではないかと
わたしは思っていました。
これはイジメ問題も同じだとも考える。

歴史考察で、対象とする人物の恋愛観もまた大きなヒントとなります。
そのなかで、その時代時代の倫理観と現在の倫理観をゴチャマゼにするのは
要注意だと深く気を引き締めておるわけです。

八切止夫がどうもその辺りで(意図的なのか)ミスリードというか見誤った
のではないかと、思うふしがある。

再度、八切史観から二点ほど例にあげてみます。