あかんたれブルース

継続はチカラかな

老舗の鰻屋の秘伝のタレが証



八切止夫の『八切日本史』のなかに
官憲が事務員募集と応募して、その実は慰安婦であり
それを係官が役得とばかりに初モノ食いをしている実態を糾弾激怒する
一節があります。
たぶん、満州あたりでの目撃体験なのでしょう。
八切止夫は嫌なものを見てしまったんだ。

従軍慰安婦問題は色々複雑で、わたしは決してそれを肯定するものではない。
ただ、色々な関連書籍から色々考えさせられることはある。
略奪行為と慰安婦制度を秤にかけるは不遜ではありますが、
その実態を考えれば考えるほど悩ましい問題です。
要は戦争とか差別とか貧困とか極限とか、それ以前の問題も大きい。
原則論でスパッといかない。しかも既に起きてしまった過去の歴史です。

過去の歴史って切り捨てていいのか!

まあ、そう怒らないでください。
私たちが歴史からどう学ぶか、ということは真剣に考えています。
それ以前に、私たちは歴史を学ばないし、興味もないし、無関心じゃないか。
片一方の歴史認識や捉え方では片手落ちだと思います。
どうせ、悪い事をしてきたんだから、という見切り発車で
非をならすだけじゃあダメだと思う。わたしはね。

さて、八切止夫の話に戻します。

八切史観のなかには日本の原住民に対して半島から高句麗系、次に新羅系の
征服者が押し寄せて日本原住民の女性と交尾していったとします。
それが強姦だったのか和姦だったのかはわかりませんが、
当然、岡本技研はありませんから子供が産まれる。

そこで、八切止夫藤原氏新羅系)の征服者が歴史を改ざんしたと説く。
まあ、それはそうなのだと思います。

でもさ、ここでさ、移民ではない征服者は当然兵士であり男が主体です。
タネは高句麗系、後に新羅系であったとしても畑は原日本人女性だ。
ユダヤ人は母系だという。それを考えればどんなタネだろうが
母親が原日本人なら日本人は日本人という理屈も立つ、と思わない?

ここで、八切止夫は変な説を語っています。

「またアメリカを征服した白人が、有色人種の血が混じった相手とは結婚したがらなかったように、
 船舶民族の天孫系も、騎馬民族の後裔である原住民との婚姻はやはり避けた。
「どこの馬の骨かわからん」という台詞は天孫系のものだし、これに反して、
「馬にはのってみろ、人には添ってみろ」
「ウマがあう」というのが原住系である。
 一つの日本列島なのに、この両者は頑固に戦前まで通婚は一切していない。」

この白人系というのは以前記事にしたように英国人フランス人を指し、
ロシア人はそうでもない。
また、八切止夫いう天孫系とは原住民であり、ここからサンカなどの
被差別順血腫を指すのでしょうが、
アメリカで移民一番乗りのアイルランド系がネイティブと新参同族を
差別するほどに「騎馬民族の後裔である原住民」との違いは
非常に微妙なもののよな気がします。

日本人はどんどん混血していく何百年も。
ユダヤ人はユダヤ人どうしで差別していますが、結局、ユダヤ人に差別された
ユダヤ人は孤立し隔離され血が固まって滅んでしまう。

村社会といわれる日本の共同体でも閉鎖的ではありまがら
そのことは知っていました。

それでも、日本の結婚制度やその観念に大きく影響したのが
明治に施行された戸籍制度だった。これは事実です。

ここで八切止夫はサンカ社会の崩壊と説き、これによって
同化が加速したという。
ちょっと大袈裟かもしれませんがこの戸籍制度で日本の人口が倍になったとか。

私生児が問題になってきたのはこの頃からで、
父親は誰だ。というのが重要になってきた。それまではいい加減だったのです。

しかし、八切止夫が示唆するのは、この半分は体制に帰順しない
天孫系とは原住民(サンカとかエタ非人、無宿人など)だったといいたい。
そのために溶け込んでいった。

たとえばさ、日本橋とか人形町に老舗の鰻屋があって
この店のタレは創業以来継ぎ足して使われていているを売り物にしている。
けれども、創業時のタレは残ってはいない。本当は。
テレビで実験していました。科学的に(汗)。

もともとの原住民だってどこかから来たわけです。
多種との交わりを嫌った(できなかった)のにはまた別な理由もあるでしょう。
だから、陰謀説のなかにある
そういった民族の区分けには無理がある。