あかんたれブルース

継続はチカラかな

機密費の行方

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坂の上の雲スパイ大作戦(4)


近現代史の定説では、
日露戦争以降の日本陸軍は情報を軽んじたと言われます。
わたしもそう書いてきたのが、たとえば機密費。

日清戦争での陸軍機密費は36万9千円
  日露戦争では320万円
それ以降の
寺内内閣で340万円
 原内閣で2000万円以上 合計するシベリア出兵で2400万円也。

日露戦争時の明石工作100万円が取り沙汰されますが
いくらインフレが加速したからっていって
10倍近い機密費って・・・
あくまでも機密費ですからね。軍事費用じゃありませんよ。
それも表に出づらい数字。この数字だって、どうだか・・・
実はこれ以上使ったってことは充分考えられる。

上は明石工作の資金の流れです。
今回、頁構成上カットしてしまった(涙)
ささやかなリベンジですが、ここにアップしておきます(怒)!

何に使ったか?
それは買収など裏工作にも使われたでしょうが、
最大の使途は飲み食いだ。宴会。淫蕩、遊蕩・・・
そんなもので、と思われるかもしれないけれど、これ塵も積もれば、でかい。

シーメンス事件で発覚した海軍の裏金もこれです。
現在でも各省庁の裏金問題は記憶に新しく、進行形ですよね。

無論、中国の軍閥懐柔にも使われましたが、
表に出ているのは税金です。
かといって、機密活動ですからオープンにはできない。

問題は、そこではなく
よくそこまで捻出できたなあ、ということですね。
そして使わせたな、と。
ここに、日露戦争以降の軍紀の乱れがある。
強力なリーダーがいなくなって、中間管理職の下克上がある。

もともと陸軍は独自の情報収集を行っていました。
海軍と規模が違う。そしてその力は外務省を大きく凌駕していた。
軍隊が官僚化するのは同時にタテ割り行政となり、情報を開示しない。
それは陸軍のなかでも生まれます。

これらの問題が参謀本部の独立性というシステムで
さらに拡大させていくのだった・・・