あかんたれブルース

継続はチカラかな

彼のように舞いたい

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生死観と性愛観(2)


昨日、アトムのラストシーンを例にしましたが、
もしこの作品が現代に発表・公開されたとしたら
「先の戦争の『特攻』を容認美化する!」
として一方の有識者やら市民団体からパッシングされるんでしょうねえ。

司馬さんでさえそうですから、手塚さんだって例外じゃあない。
そうですねえ、手塚治虫氏が存命中だった25年ほど前に
原子力開発の推進委員のメンバーだったときもそうでした。
当時の環境問題は温暖化・排出ガスじゃなくて、原発が主役でした。
手塚さんとしては来るべき未来に夢を描いたのだと思います。
その作品同様に。

それを私達は許さない。わけだ(涙)

戦後にピリオドが打たれたのは1970年代。
ここから大きく変わっていきます。
物質文明の大津波もそうですが、口やかましくなった。
宇宙戦艦ヤマトだって、当時は散々だったんです。
「このどメクラ」という差別用語の天こ盛り『座頭市』も茶の間から消えます。
野球放送中止のお楽しみだったのに・・・
手塚さんの『どろろ』だって、最近ようやく封印が解けた。

ようやく団塊世代がリタイアしだして
三丁目世代のテレビマンガで育った者達が主導権をとれるようになったせい?

団塊のことはいいのだ。
そう、日本人の生死観についての話だ。

その25年前、小学館から白土三平の文庫全集フェアのキャッチコピーだったか
それと集英社の「三国志」フェアのアオリだったか
場所は飯田橋の本屋で(現在はスターバックス

「彼のように生きたい。彼のように死にたい」

という大段幕の店内POPがわたしを釘付けにした。

白土三平なら『カムイ伝』のキチガイ親爺か
三国志なら趙雲
関ヶ原なら大谷刑部
大阪の陣ならジャーニー明石
七人の侍なら稲葉義男
明治だったら長岡外史
仁義なき戦い』ならば松永弘。演じたのは成田三樹男でした(汗)


「生きることと死ぬことはいっしょ」

ゲド戦記宮本輝の作品のなかにあった「生死」の等価理論を
日本人は受け容れられなくなってしまった。

生きることは絶対の正義であり、死んだら大損と考える。
死を語ることさえもタブーで縁起悪いとたしなめられる。
そのくせ毎年3万人超えの自殺者を出しているこの国はなんだ。
平和を叫びながら
もう十年以上も旅順攻略と奉天会戦を繰り返している。


ということです。参考になりましたか〜あ(汗)?



つづく