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良識派の壁(6.1)


11月22日発売の講談社α文庫
『「仁義なき戦い」悪の金言』

これは馬太郎の『訓録「仁義なき戦い」』を
再編集し直したものですが、
馬太郎ブログの真髄がこめられております。
今回は「金言」ということで
新原稿を大幅に(20本)追加しました。

この本のコンセプトはサバイバル・生き残りですが
その本質を「良識派の壁」としています。
ここでも同名のブログ記事シリーズで
戦前の軍人の在り方から
オリンパスの経営陣(特に下山敏郎元社長)や
読売グループの総帥・渡辺恒雄を糾弾しています。
まさに彼らこそ山守義雄なのだ。
それに追随するものたちは打本昇であり槙原なのです。
(これは、映画『仁義なき戦い』の登場キャラ)

文庫化にあたっての担当者からの注文は
組織力学としての「普遍性」でした。

昭和20年代から40年代にかけて
広島抗争という西日本の暴力団を二分する大抗争事件が勃発。
映画『仁義なき戦い』はそれを題材にした
実録作品です。
しかし、単なる東映娯楽作品ではなく
脚本家の笠原和夫が現地(広島・呉)で中心人物の美能幸三氏、
共政会の服部武などの親分衆からの多岐にわたる取材をもとに
原作(まぼろしの手記)を凌駕する作品に仕上げた。
また、作品自体も名匠深作欣二によって
シリーズ全五作として、日本映画の金字塔とされ
「20世紀の名作ベスト100」では黒澤明の『七人の侍』に次ぐ
堂々の第二位を獲得した名作です。

この作品に登場する山守義雄という親分は
実在名を山村辰雄といって、そりゃあもう大変なオヤジでした。
映画では金子信雄が一世一代の名演で
モデルになった人物に肉薄しましたが、それがまんざら
デフォルメでないと知ったときの馬太郎の驚きは為五郎。

それは、もう一人の親分打本昇(実名打越信夫)や
槙原政吉(実名樋上実)などのキャラが五万といる。これが
現在の日本社会の頭の痛い問題の本質だ。

この山守・打本・槙原の三人を人道結石として
主人公の広能昌三(実名美能幸三。菅原文太・演)以下
武田明(実名服部武。小林旭・演)、
松永弘(実名・網野光三郎。成田三樹男・演)らが対抗するのですが
いかんせん、彼らのなかにある良識が
この神を恐れる恥知らず結石ガン細胞に翻弄され勝てない(涙)。

これは、どんな時代でも起きる良識派の甘さという普遍性なのだ。
太平洋戦争でも、現在の企業のモラルハザードでも
原発導入・利権の顛末でも、すべてにいえることなのだ。
そういう事象を嫌というほど観てきた舐めてきた馬太郎が
某日経とか某大林組とか某生保某銀行などなどの
実例を名称を伏せつつ渾身の筆を奔らせて綴った
サバイバル時代の生き残りのための書がこれだ。

交渉術、喧嘩術、危機管理対応術として
是非参考にしていただきた。

これを読めば、ナベツネ問題の要所カン所も合点がいくと思います。

定価760円(税込み)は高くはない。
アマゾンなどで予約受付中。