あかんたれブルース

継続はチカラかな

出前一丁かおり丼

知性と意地悪(6)


暮れの28日の午後1時過ぎ、つい今しがたの話
昼飯食って寝転んで本読んでいたらケータイが鳴った。
誰だろう?
あれ珍しいかおりくんじゃないか。

「おおどうした、なにかあったか?」
「馬ちゃん今ええ?」

かおりくんが息せき切っている。興奮してる。
こんな元気なかおりくんは初めてです。
一昨日今年最後の「良いお年を」コールしたときは
相変わらずヘロヘロさんだったのに・・・

かおりくんの興奮は憤慨が原因だったようです。
なんとかかんとかというウツ治療団体に相談にいって
その診断結果がメールで届いたとか
その内容が
「それはあなたの怠慢、傲慢、無知」と言い切られて
カチンときたようです(笑)

それに対して馬ちゃんはどう思うか聞きたいという。
自分のこの憤りが正当かどうか確認したかったんだね。
その理不尽に対する怒りにさえ、それでいいのかどうか
まったく面道な奴です(汗)

でもね、声に力があるんだな。
燃えてるわけだ。
こりゃ怪我の巧妙かもしれない。

わたしは最初、変な宗教団体に引っかかったんじゃなのかとか
その団体に幾ら払い込んだのかととか変なことばかり気にしてた(汗)

そっとそれとなく探りつつ

そのなんてろかんてろさんという団体の査定とか診断が
良い悪いは別として、さ
これまでウンともスンとも変化がないかおりくんが
こうまで発奮するんだったら
それはそれで向こうの手口というかマニュアルカンフル剤じゃないの。
一種の挑発だよ。
と、まず一石。
訳のわからない占い師とか個人が言ってるんじゃなくて
団体さんの組織の方針でそうアドバイスしたのなら、
それはそれで受けて
かといって、だからといって額面通り真に受けないで
なるほどと思うならばそれもよし、そうでもなければそれなりに
受け流せばいいじゃない。
だいたい、人間なんてものは怠慢で傲慢で無知なの。
よし姉さんとかうり坊を見てみろよ。

うんうん、と素直に頷くかおりくん。

途中誰か訪問者がありました。
近所の人が町内会のことかなんかで来たようだ。
そのやり取りが受話器から聞こえてくる。
これがハキハキしてるんだな。

「おい、なんだよ随分ハキハキしてんじゃないか」

「へへへ外部の人にはそうやねん」

「俺は一度だってああいう対応は受けたことがないぞ」

「馬ちゃんは外部やあらへんやん」

「そりゃまたどうも」

てなわけで、久々に元気なかおりくんと会話しました。
良い人に徹して頑張んなくてもいいから
喜怒哀楽をちゃと小出しにしてガス向きするように。
我慢ばっかりしても決して解決しないとか
茶碗は一回じゃ壊れないとか
いったい幾つまで生きるつもりなんだよ
俺たちにはそう時間はないんだよ。
10代20代の時間と比べて40代の10年は速かったぞ
50代なんてあっという間さ
いくら悔やんでも時間は後戻りしません
今を、大切に楽しく生きることが
大事なんじゃないかえ

こういうことはこれまで何度か話してはいるのですが
だいたいいつも薬でラリってますのでヘロヘロさんで
よくわからん感じだったんですが

「よっしゃあ、そうやなあ楽しまなあ損やな」

と力コブ。

大丈夫かなあとカマかけてみましたが
「その熱中するっちゅうのが難しいねん」と
まともな返答。大丈夫そうです。

まあ、そういうものが一朝一夕でみつかったら世話はないよ。
でもさ、ゆっくりでいいから来年はそれを探すことを
まず目標にして楽しんでみたら。
そしてそのなんちゃらかんちゃらさんを見返してやんなよ。

じゃあ、来年もよろしくね。

「うん、こちらこそな」

よいお年を

「ありがとう、よいお年を」

今年二度目の良いお年をコールで電話は終わった。

ここ一年二年の電話の開口一番は
「お~い、生きてるかあ」でした。
なんだかんだ四年になります。
一筋縄ではいかないでしょうが
こっちは腰を据えて気長に待つつもりです。