あかんたれブルース

継続はチカラかな

少年よ、なぜ泣く?

餓鬼道三丁目(1)


昨日の夕方、四時半ごろです。
図書館に本を返しに行く途中
公園の遊歩道を歩いていると泣き声が聞こえた。

歩道の左側に敷かれた芝生のグランドの植え込みから
小学四、五年生ぐらいの男の子が泣きながら歩いてくる。

そりゃあもう派手な泣き方でして
思わず足を止めてしまうほどです。

オイオイ泣いている。
で、その悲しみの叫びが
「いやだあいやだあこんなのいやだああ」

です(汗)

この台詞を号泣の合間に入れてグランドを横切るわけだ。

いやあ、何度か足を止めてしまった。
思わず顔がほころんでしまった。
良い泣きっぷりだなあ、と。

「いやだあいやだあこんなのいやだああ」

この少年になにが起こったのでしょうか?
誰かにイジメられたのか? 理不尽な仕打ちを受けたのか?
お腹が痛いわけじゃなさそうだ。
なにか落としたのかな・・・大切なもの
それとも失恋したか。いやちょっとそれは早いね。

「いやだあいやだあこんなのいやだああ」

わたしは完全に足を止めて彼に釘付けです。
この「こんなの」を「こんな生活」に入れ替えれば
どこの誰かさんを思い出す。
しかし、この小学生の嘆きはいったい。
お母さんが新しいお父さんを連れてきたのだろうか・・・
それとも飼っていたジョンが死んだのかい?

わたしは、近くまできたその子に声をかけようとした。

『ぼく、どうしたんだ?』
と、彼は手前で左に曲がって
止めてあった自転車のカゴにバッグを投げ込んで
「いやだあいやだあこんなのいやだああ」
と反対方向に自転車を押していきます。

そして、言った。

「これじゃあ進級できないよおおおおお」


 ?


なんか、塾とかスイミングスクールの件で
悩んでいたみたいですね(汗)。
昨日の東綾瀬公園(通称時計公園)であった実話です。
なんか緩んで硬直し、ちょっと痛みを感じる頬の内側の
口の中にほろ苦いものがじわんときたよ。

それをペーソスと表現するのには抵抗があった。
微妙な夕暮れがわたしを追い立てる。
踵を返してまた歩き出した。