魔と呪(8)
耳もとで
お前が泣いている
抱きしめることも約束することもできない
言葉は無力と化し
沈黙のなかでお前の嘆きを聞いている
さびしさもまた呪いだ
本来、人間はみなさびしいものだ
けれども、過去に深い痛手を負ったものたちは
さびしさに呪縛されてしまう
愛を知らないエンゼル
そのさびしさのために
何度も過ちを繰り返してきたのに
また同じ罠に陥ろうとしている
トラウマの封印は自分で解くしかない。
手助けはできても
その封印を解く鍵をわたしはもっていないんだ
愛を知らないエンゼル
どうかさびしがらないで
怖がらないで
不安に思わないで
さびしい自分を忘れるように
恋してほしい
彼を愛して、そして自分を愛して