あかんたれブルース

継続はチカラかな

奇跡の人



といえばヘレン・ケラーだよね。
映画『奇跡の人』でヘレンはサリバン先生に
ワラーワラーと叫んだ。藁?
[water] それは「水」だ。

三重苦・・・見えない聞こえない話せない

それを考えると途方に暮れる
漆黒の世界
静寂と沈黙の果て
孤独の底

わたしの舎弟に堀太郎という極道がいまして
立教の英文科なのに英語が読めない聞けない話せない
三重苦なのだと変な自慢をしていたっけかね。

健常者であろうが、立教のプロレス同好会でなかろうが
私達は見えているのか聞こえているのか話せているのか?

暗い酒場でふいにみせた男の戸惑いを見落とさなかったか
喧騒のなかで呟いた女の「ごめんなさい」が聞こえていたか
自分の気持ちを素直に伝えられただろうか

それでも
わたしたちは奇跡を願っている。

「私にも奇跡が訪れないかなあ」

「あるよ、ほらここに」

「ここで入るわけ(汗)
 ・・・で、どんな奇跡なの?」

「そりゃあ僕と君が出逢ったこと、これこそが奇跡だ」

「なんかそういわれると損した気持ちになるんだけど」

「同じ時代に、この広い世界で僕らは出逢った」

「そういうことにしときましょう。私にかまわず続けて」

君は奇跡というものを宝くじみたいなものだと考えている。
それは間違いだ。奇跡は必然なのさ。

「あなた誰?」

「僕は世界の王様さ」

タイタニック・・・いいわ、勝手に続けて」

私達は有り得ないことに遭遇すると
それを言葉にする。
有り得ないこと、有難いことに対する感謝の気持ちを
「ありがとう」という言葉に託して
相手と天に伝えるのさ。
だから初めて君と出逢ったとき、僕は天に感謝したよ。
「神様ありがとう」って

「そういうときだけ神様なのね」

「だって、仏様だと変だろ。アラーでもなんか違うし」

「そんなに嬉しかった?」


なぜ めぐり逢うのかを
私たちはなにも知らない
いつめぐり逢うのかを
私たちはいつも知らない

どこにいたの生きてきたの
遠い空の下ふたつの物語

縦の糸はあなた横の糸は私
織りなす布はいつか誰かを
暖めうるかもしれない

なぜ生きてゆくのかを
迷った日の跡のささくれ
夢追いかけ走って
ころんだ日の跡のささくれ

こんな糸がなんになるの
心許なくてふるえてた嵐の中

縦の糸はあなた横の糸は私
織りなす布はいつか誰かの
傷をかばうかもしれない

縦の糸はあなた横の糸は私
逢うべき糸に出逢えることを
人は仕合わせと呼びます

                               (中島みゆき「糸」)



嬉しかった。



「有難う」