あかんたれブルース

継続はチカラかな

騙される人



あれからきっちり二週間後・・・
かあさんからメールが届いた。

『河馬子が彼氏にカードと現金全部盗られた』

やっぱりというか案の定というか想定内のお約束の展開
とにかく銀行に連絡してカード取引を停止させ
警察に被害届を出すように指示したようですが。

引越しの家具や電化製品などを購入したので
それほどの金額ではないようです。それでも
カードと現金にそれぞれ三、四十万円ほどだそうです。
合計して七、八十ってとこですかね。
新社会人そうそうの苦い経験がまたひとつ。

高校生の頃も(別な)彼氏にアルバイトの金を盗まれている。
このときは五万ぐらいだったでしょうか、
当然それが原因で別れたようですが。

河馬子は年齢の割りに金にシビア、いや執着してる。
くせに、非常に脇が甘い。
ツンデレなのですが、デレのときに甘くなるんでしょうね。
これがかあさんの心配であり、わたしの不安だったのです。

「うまくカードが止められればそっちはいいとしても
 警察に被害届出しても現金は返ってこない公算が高いよ」

母親はそれはわかっているという。
今回の件をある程度、想定していた母親は
むしろラッキーだったかもしれないという。
できればこれを契機に
身にしみてわかってほしいのだといっていました。

さびしさが男に奔らせる。

そりゃあねえ、可愛くて金持ってたら男子が集まってきますよ。
親元を離れての一人暮らしはワクワクはするけれど
さびしさも連れてきますからね。
こんなわたしでさえも上京三ヶ月目にホームシックに泣いたもの。

若い頃は、大人のいうことに耳をかしません。
「わからんわからん意味わから」と(笑)
で、男を、女を、観る目もない。
信じていいものと信じてはいけないことの区別がわからん。
わからんことのなにがわからないのかが、わからん。

そのまま大人になって歳食う人もまた多い。
どうだ、耳が痛いか?

厄災・不幸ってものはおおかた自分で引き寄せるものだ。
人はよく「運不運」という言葉でそれを納得させようとしますが
そうじゃない。
そこには必ず、因果があるものです。また、
その人の不自然な在り方・姿勢を正すために
それは起きる。まあ兆しというかサインのようなものです。
それを感じ取って改めれば、その手のことはなくなるでしょう。が、
それでも改めなければ、
次から次へと同じようなことが起きる。
とことん追い込まれ。改める、変わるまで、ずっと
未来永劫無限の地獄。

だから、考えようによっては
こういったアクシデントというものは
河馬子の母親がいうようにラッキーでもあります。
それをどう受け止めるかは、河馬子次第ですけどね。
骨身に沁みてほしいものです。

世の中、カネカネカネというけれど
それですめば苦労はしません。
カネで解決できないからヤバイのだ。
さびしさはカネで解決できない。

恋愛は飲食店に入っての「取り敢えずビール」の
取り敢えずでは、取り敢えずでしかない。
そういった手近な取り敢えずだけを追っかけても
時間とカネの無駄なのだ。河馬子わかるか?

結局、なめられているんだぞ。
プライドがあったらしっかりしなさい。
中国製のバッタモノに何十万何百万何千万とつぎ込んでいる
そんな間抜けな生き方は、連中に嗤われているだけで
それこそ虚しくさびしいことです。

カモにされてるの。カモネギってやつなの。

だからといって、信じないの一点張りでも
身が持ちません。なにを信じるか、疑うか。
ここが肝心であり、「社会が厳しい」という厳しさはそこにある。
この世に悪い人間などそうそういるもではなく、
おおかたは、それは悪い云々ではなく弱さにある。
騙す人も騙される人も裏切る人も逃げる人も
根本は「弱い」につきます。

そういうことを君に学んでほしい。

人間はさびしいものです。
これは一生ついてまわる宿命だ。
そのさびしさは一人では如何ともし難い。
だからこそ、本物をみつける目を養ってほしいのだ。
中途半端な手近なもので満足するな。
もっと大きな欲をもってほしい。
スケベになれ。どスケベになるんだ。
人を生かすも殺すも金次第。
カネってものは稼ぐより、貯めるより、使うほうが難しいものです。

いい女になれよ。
そして、いい男をみつけて
良い恋愛をしてください。