あかんたれブルース

継続はチカラかな

そうは問屋は卸さない

ニッポンの教育改革(6)


なぜ企業が日本の大学生に愛想を尽かしたか?
その第一の理由をコミュニケーション能力の低下
としましましたが、
なぜそうなったかの大きな原因に
大学受験のペーパーテストがあります。

まず、試験ですから、当然「時間」の制約がある。
ある問題を限られた時間内に処理しなければならない。

当然ですよね。当然だと思うでしょう。ところが、だ。

実社会ではどうか?
現実ではどうか?

受験対応の学習は傾向から対策
テクニックを磨くマニュアルであり暗記偏重の学習なので
応用力がなかなか育めない。
暗記偏重は想像力を損なうものなのですね。

また、ペーパー試験は時間制限があるので
難しい問題に時間をそうそうさけません。
わからない問題、難問はそこでオミットしちゃう。
あきらめてしまう。

つまり解決できる問題とできない問題に
(個人差があるとして)分けられる。
で、即答できない問題を先送りします。
その後で、「検討」すればいいのですが、先送りのママにする。
受験は終わっているのでわざわざ難しい問題に取り組む必要はない。
非効率と考えます。
そのために失敗、失点、下手を打ちたくない。
逃げてしまうわけです。これがトラブルのもとになる。

だからできるだけ努力してなんでもわかるように頑張る。
それは、できるか?
大学受験や就職試験ではできても
現実問題は、そうとう厄介です。

逆に、「これはこうだ」と反射的に即答できた場合
(よかったですね、しかしだ)
仮にそれが誤った判断だったとして、引っ込みがつかなくなって
そのために失敗、失点、下手を打ちたくなので
無理強いでもそれを通そうとする。
  ネット上で展開される論争でも
  おなじみの傾向です。
これがトラブルのもとになる。
原発事故なんかもこれでしたよね)

マニュアルで解決できるものや
指示があるものなら無難にソツなくこなせるけれど
白紙状態やちょっとイレギュラーだとお手上げ
これがトラブルのもとになる。

実社会ではマニュアル通りにいかない。
現実では創意工夫が必要なのです。
別に即答することはない。
かといって先送りだけじゃだめなのです。

有能とは、使える人間、やれる人間とはそんなものではない。
無論、企業側の責任もありますよ。当然そこには。
ようやく企業も反省してきたわけだ。


それに、一般常識のない
モラルハザードの世間知らずですから
そりゃあ話もこじれますよ。
ちょっと注意すると会社にこなくなってしまう。
傷つきやすいのです。
企業内でもコミュニケーション障害の問題は大きい。
下手に注意できない。
ちょっとの失敗で挫折してもうダメだと結論づける。
そして、医師の診断証を提示してくる。

ま、なかにはグリグリ絞って使い捨ての会社もありますけどね。
一概にはいえませんが
とにかく企業側の姿勢が変わってきているのは確かです。


現実社会は偏差値やペーパー試験のようには
まわらないわけだ。
これは若い世代だけじゃなく、すべての社会人にいえることです。
親方日の丸という言葉がありましたが
いまの大企業就職至上主義は
親方大企業というわけなのだ。
入れたら官僚がいいに決まってるとなるのかも。

いい学校に入れば、いい会社に入れる。
これが入ってしまえば、という合理的なのかどうなのか
の発想を生んでしまいます。
はいったらしがみつく。

企業が外国人を採用するのは
語学力、国際進出の即戦力というだけでなく
こういった社員の増加に辟易したからだ。
(リサーチ済み)

あっという間に、日本人が変容してしまいました。

親のせい、学校のせい、環境のせい、企業せい、
マスコミのせい、ケータイのせい、人権のせい、個人主義のせい、
食べ物のせい、教育制度のせい、政治のせい、不景気のせい、
大人のせい、ゲームのせい・・・

いろいろあるでしょうよ。
でも犯人探しじゃもうどうにもならない。
分析しても解決しないのだ。

問題の本質は教育にある。

ちゃんとした教育をしないといかん。
その邪魔が大学入試制度だ。

欧米の大学は入りやすく出にくい。
日本はその逆です。
これさえ、変えられない。
先日このなぜの言い分をとある元官僚に聞きました。
理由は企業と保護者だっていってたけど
そうじゃない。たんなる言い訳で
それはもう十年前の話です。
嘘つきとはいわないけれど、言い訳以上の何者でもない。


子供を、人材を、潰してはいけない。
国益を害しているのは
この教育制度の弊害にあります。