あかんたれブルース

継続はチカラかな

近現代史の人面瘡チチチ

村山さん、弾はまだ残っとるがよ(4)


新聞を出すことは決まったが
さて、それを作れる人材がいない。そこで
手っ取りばやく『大阪日報』の津田貞という
マルチエディターをスカウトします。
この男、元土佐の脱藩浪士で容堂公の側近。
龍馬、後藤象二郎板垣退助の次世代ホープ
土佐脱藩は中川宮の陰謀関与から容堂公を守るためだったとか。

さて、朝日に引き抜かれ
手八丁口八丁で手腕を発揮する津田でしたが、
派手な経営戦略から木村平八と衝突すると
クーデターを起こし『魁新聞』を立ち上げて
憎っくき朝日新聞を窮地に追い込む。

えっ、騰ですか? 
そんなものはまた例の逃避癖で行方不明です。
親父の平八は万歳して、村山龍平に朝日を譲渡しちゃった。

これが現在の朝日新聞社創業者の村山龍平です。
紀州藩支藩の田丸藩出身。
田丸は伊勢ですが、紀州藩支藩ですから紀州侍ですからね。
この辺がやっかいなんですけどね。

なんでこんなことをこだわるかというと
後々村山龍平が紀州藩系の人間であることが
大きな意味を持つ、謎解きのヒントになるから。

村山龍平は紀州系です。そして岸和田藩主岡部家から
(二代目として)長挙を娘の藤子の婿に迎えている。


時は流れて昭和6年、満州事変。その翌年、
漢民族復興によって滅亡した満州族の清は
その故郷である満州満州国を建国しました。

その満州の用心棒に馬賊あがりの張作霖を軍部はバックアップ
しょうとする。ためには軍資金が必要だ。
それをどうやって捻出するか・・・
アヘン密造はもうちょっと先の話です。
なんかないかな、と。

満州奉天城には清国時代276年の宝物がうなってる。
いや金銀財宝じゃあない。
陶芸品。青磁なんかです。壺とか茶碗です。
これをですね、そっくりなレプリカ、つまり偽物、贋作を
拵えて、その偽物を奉天城に、そして本物を売る!
というとんでもないことを考え出した。
それを実行したのは関東軍だ。

誰がプロデュースしたかというと
真宗西本願寺第22世法主大谷光瑞だ。

誰が買うのか?
紀州徳川家が買う。

で、計画は実行に移されました。
陶器の贋作は比較的に簡単(?)なようですね。
難しいのはその運搬移動で、関東軍のアホはその作業で
いくつか貴重な文化遺産を落として壊したりしてる。

さて、作業は完了。完璧です。
ちょっと壊わしたものありますが、大丈夫(汗)
奉天城にはレプリカを搬入してありますからノープロブレム。

しかしここで買取先の紀州徳川家が根をあげる。
あまりの高額に腰が引けてしまった。
だって数が凄い。スケールが大きい。
この場におよんでこの屁タレめ、といっても始まらない。
その半分を大谷光瑞が出したそうです。
西本願寺というと100万石の大名に匹敵する財力を有します。

これが露見したのか大谷光瑞は巨額の負債と疑獄事件で
法主を辞任に追い込まれるという前代未聞の引責辞任(引退)。


さて、時はさらに流れて平成4年。
大阪岸和田市は市政施行七十周年記念陶磁器展を開催した。
そこから出るわ出るわ東洋の秘宝がザックザック

これにまったをかけたのが、読売新聞と朝日新聞だ。
ニュースステーションでも大きく取り上げられて
久米宏が叫ぶ「贋作だ贋作だ贋作だ」と。

そりゃねえ、
そんな本物が岸和田の一般住民が持ってるわけないじゃん。
しかし、なんで岸和田なんだ?

たとえ、本物であっても本物ではいけないのです。
そんなことしたら骨董市場が大暴落。だけじゃない、
そんことバレたら尖閣なんかの騒ぎじゃない。
北京の故宮博物館はどうなるんだあ?

近現代史の因果噺の
さわりの一席でございました。
くれぐれも他言御無用にお願いいたします。
闇の権力者に狙われるぞ(恐)


さて、話しを戻して
朝日新聞は創業二年目で経営者が代わり
村山・上野の共同経営となって
再スタートをきるであります。