あかんたれブルース

継続はチカラかな

神じゃない鳥じゃない



天皇天皇制に対する批判は
たとえば、昭和天皇の場合であれば先の戦争責任にあると思う。
わたしは、昭和天皇にそれがまったくなかった、とはいわない
けれども、それをもってどこまで昭和天皇を糾弾できるのか?
大変疑問です。

天皇も人間であり、神様じゃないわけですから。
えっ、神様だったって?
まあ、そういうふうに仕立てられていたのは事実ですが
天皇は生身の人間であり、神様じゃない。
そんなことは中学生でも解ることじゃないか。

同時に、日露戦争以降からの天皇機関説問題や
統帥権問題などを重ねて考えてみるべきでしょう。
まさか、それも知らずに天皇を批判する人はいないと思いますが。

現在の歴史認識の常識、常套句に
満州国は日本の傀儡国家だった」っていうのがある。
わたしはそれを否定しないけれど、であれば
日本の天皇制度も
機関説からすれば、傀儡といえるのではないか?
ましてや、戦争責任で一番重要な統帥権を握っていたのは
名目上は天皇でも実質は軍隊だったわけです。

輔弼というもので重臣大本営政府連絡会議)たちが
方針を定め上奏し、天皇はそれを認める、だけ。

天皇が拒絶したのは二.二六事件の反乱軍の行為ぐらいか?
(これでもかなり厳しい裁断だったんですよ)
あとは、張作霖爆殺事件に対する田中義一首相への叱責とか
それでも、昭和天皇にとっては後味が悪かったようです。
基本的に朕が承認した臣を信頼して任せたい。
というのがあったんですね。
終戦工作を否定したのだって、周囲の重臣の意見に従った
わけなので天皇を責められない。

ま、それでも終戦時から東京オリンピックの間までに
退位するか自決するかなんらかの行動を起こすべきだったと
わたしは思うけれど、それさえも
山本五十六や米内光政が殺されることを怖れたように
責任者として、あるべき責任を考えると
そういうのは責任放棄になるんじゃないかという
考えにも悩まされるものです。

ごく一部の意見でしょうが
山本五十六や米内光政を米国のスパイだったという
陰謀説を開帳する馬鹿もいますが、
たとえ「とんでも本」に感化されたとしても
想像力思考力を疑う。

あの当時、誰も戦争を止められなかった。
それはそれで問題なんだと思う。
しかし、首相でも、外務大臣、企画院総裁でも
ましてや参謀総長軍令部総長陸軍大臣海軍大臣でも
止められなかった。
みんな本音は戦争なんかしたくなかったんだ。

戦争を煽ったのは新聞メディアであって
戦争を支持したのは国民だった。
それにネジ巻いたのは軍部や一部右翼団体だけれど
結果として誰も止められなくなった。
暴走しちゃったわけです。

そういうなかで、昭和天皇を糾弾できるものなのか?
天皇制が諸悪の根源だったのか?

そういうふうに言い切れる人の見識を疑うね。

昭和天皇の件は、ま、色々意見もあり
それに関して様々な歴史認識や検証もあるでしょうが、
では今生天皇、現在の天皇陛下について、
なにかそんな問題のあることをやったのか?

東日本震災では被災地や避難所に駆けつけていた姿を
いったいどういう了見で批判するのか?
その動機や理由付けがわたしは理解できない。

そのへんのオヤジ、社長、先生より
ぜんぜん立派じゃないか。
あんな退屈な公務を不平もいわずにやってる。
わたしだったらひと月で根をあげるよ。
立派な人だと思う。

そう思うわたしは右翼なのか?
それとも左翼か?

わたしは鳥じゃない。