あかんたれブルース

継続はチカラかな

富豪男の良心

優秀と有能(7)


チャップリンの初期の代表作に『街の灯』
という作品があります。

あまりにも有名すぎて
テレビ番組でスポット的にやってたりして
「知ってるつもり」でちゃんと鑑賞した
ことが実はなかった。

まあ、モダンタイムやライムライトに比べて
小粒なイメージもあったせいもある。
だいたい話の筋もわかってるしね。

先日、BSでやってたので
ついつい観てしまって、感動しました。
こりゃ名作だわと、思い知らされた。
その感動の件はまた別の機会にするとして

この作品に登場する
富豪の男のことが気になった。

この富豪の男は酒乱なのだ。
酔うと正気を失ってジキルとハイドのように
性格性質が一変する、二重人格。

チャーリーと出合ったのは酔っ払ってジキル状態
心優しい善良な寂しが屋
この世を悲観して自殺しようとするのを
チャーリーに助けられて親友となる。

ところが、酔いが醒めると別人
利己的で傲慢な冷酷漢
そして酔ったときの記憶もまったなく
チャーリーは二度三度と追い出されてしまう。

盲目の娘を助けるために奔走する
チャーリーがヨーロッパから帰ってきた
この富豪男と偶然再会。
そのとき男は酔っていた!
「おお、友よ」と熱いハグに
目を白黒させるチャーリー

「で、その娘を助けるのにいくら必要なのだ」

取り敢えずは家賃の22ドル
なのですがそれをいいあぐねてると

「1000ドルもあればたりるのか」

チャーリーは仰天!
観客もニンマリなのですが、これが元で
チャーリーは監獄行きなーのだった。

さて、わたしは考える
太ったせいで膝が痛いのか、じゃなくって
この男の正気はどこにあるのか?

無論、シラフのときなのでしょうが
酔って我を忘れたときの
この男の優しさは気の良さ善良さって
どこからきたの?
まさか狐憑きってわけでもないだろうに

そうこれもこの男の本質なのだ。
それがお酒によって呪いの封印が解ける
みたいな。

なにが本当でなにが違うのか

まぼろしの市街戦』という映画があって
これも正常な人間と精神病院の患者の
どちらが正常なのか?
を問う作品だった。


トチ狂ってる世の中や人を
眉をひそめてしかめっ面をして臍を噛む
ことは多いものです。

なにが正しいのか?

あなたは自分に忠実に生きてる?