あかんたれブルース

継続はチカラかな

父の書棚



先日、とある理系の学者さんとの話してて
家庭環境の子供への影響が話題となった。
その方は、父親の書棚にあった
カッパブックス(笑)のアインシュタイン
相対性理論の本を盗み読んで
難しい公式はわからないけれど
不思議な世界に引き込まれ一気に
理系に傾倒したと話していました。

「いまの自分は父の書棚がきっかけですよ」

父の書棚かあ・・・
古い記憶をたどって父の書棚にあった
本を思い出してみる。
獅子文六があったと思うけれど
本のタイトルは思い出せない。
源氏鶏太は『女大学』だったと思うのですが
ネットで検索したところそんな作品はない。
ま、小学生中学生ぐらいの記憶ですから。

そんなわけで源氏鶏太を調べていたら
ウィキペディアで面白いエピソードを
みつけました。

「『英語屋さん』はペーソスあふれる
ユーモラスな作品となっているが、
モデルとなった実在の人物は狷介な人柄で、
社内で敬遠される有名な「名物男」であった。
彼は、源氏が「自分をモデルとして小説を書いた」
と知ると、好意的な人物に描かれている小説を
読みもせずに、怒り狂った。
だが、のちにこの小説が直木賞を受賞すると、
「オレのおかげで、あいつは直木賞をとれたんだ」
と上機嫌になったという。」

このエピソードからモデルになった人物は
【狷介】
頑固で自分の信じるところを固く守り、他人に心を開こうとしない。
な、人物だったわけですね。
とは別に、源氏鶏太が作家として、また
人間として想像力豊かな人だった
こともうかがわれる。
彼の洞察力が的外れとかの話じゃありませんよ。
モデルになった男のことなんてどうでもいいんだ。

ユーモア作家としての
彼の人柄が偲ばれたわけです。
因みにわたし源氏鶏太の作品は一冊も読んでません。
その存在するのしないのかもわからない
『女大学』というタイトルが
どんな大学なんだろうと・・・?と
ずーっと頭にこびりついていただけの話。

少ない彼のエピソードにこんなのがあった。

「1975年に刊行された『わが文壇的自叙伝』では、
自分の作品で死後、読まれるものがあるだろうか
と自身、懸念しているが、
実際に現在ではほとんどの作品が絶版・品切となり、
「忘れられた作家」となっている。」

源氏鶏太獅子文六も知らないよねえ。
当時は売れっ子だったんでしょうが・・・

他には司馬遼太郎の『播磨灘物語』があったな。
無論そのときは読まない。
ハリマナダって読めなかったかも(涙)
わたしが盗み読んだのは
松本清張の短編集と江戸川乱歩全集ぐらいかな。
そうそう盗み読むんじゃなくて
本当に盗んで今でも持ってる本がありますよ。
『手相への招待』門脇尚平・明治書院 
定価250円で昭和37年発行の第21刷版

みょうな形見になっちゃったね。

父親もこの本を見ながら
自分の掌を眺めていたんだなあと

とかね。