あかんたれブルース

継続はチカラかな

哀愁Gmの湿った五線譜



1981年版の
郵便配達は二度ベルを鳴らす
を観ました。
主演はジェシカ・ラングジャック・ニコルソン

この作品は1934年に発表された
同名小説の映画化で
これまで合計四回映画化されている。

ストーリーは
愛人関係にある男と女が
共謀して女の夫を殺害するというものです。
ラストは交通事故で女が死んで
男はその殺人と告発され、
前の夫殺しも告発され
死刑を宣告される、という
悪いことはできない
教訓的なストーリーですが・・・
このジャックとジェシカの
俺たちに明日はない的な
郵便配達は二度ベルを鳴らす』は
ジェシカの死で終わった。

そこで THE END

なんか切ないラブストーリーに仕立てられていた。

しっくりいかないジェシカとジャック
もう一度お互いを見つめなおして
やり直そうする男と女
妊娠中のジェシカを気遣うジャック
その真心が伝わって
運転中のジャックにキスをする。
そのときの正直なジェシカの気持ち
ジャックもそれに応える、愛の成立
がその時対向車が!
1930年代のオープンカーだ。
フードは被せていたがジェシカは外に放りだされた。
クルマは横転。
車中から血だらけでジャックが這い出して
道路脇に倒れる
ジェシカのもとに駆け寄る
しかし彼女はもうこと切れていた。
泣き崩れるジャック。

そこで THE END

原作を知らない
46年のラナ・ターナー版も
44年のヴィスコンティ版も
39年版も観てないわたしは
その後のジャックの破滅を知らない。
ただ、最愛の女を失って泣き崩れる男の悲しみが
胸を打って THE END

ジャックは可哀想だったけれど
ジェシカは幸せだったんじゃないか
とかね。そんなことを考えていました。

その後で、この作品の原作のオチを知って
ジャックにとっての死刑宣告は
さして意味をなさない。

裁判所は二度ジャックを殺した。わけだ

しかしなあ
物語をどこで締めるかで
印象はこうも変わってくるんだね。

女は永遠の愛を手にして逝った。
頼りない男を置き去りにして

この作品を21歳のとき映画館で観て
その帰り道に哀愁に漂えただろうかしらん?

ジェシカ・ラングがいいです。
ごっつい女を薄手のワンピースが
柔らかな色香を漂わせていた。
ジャック・ニコルソンもいい味わいでしたが
ただ、なんであんな
サーカスの猛獣使いの変な女に気がいくのか?
それだけが理解できなかった。

天地神明に誓って
ジェシカ、わたしは浮気なんかしないよ。