屠られる羊たち（5）
そんな日本史上もっとも恐ろしい凶暴な呪い
怨霊ってなんだと思う？
菅原道真？ ぶっぶー
平将門？ ぶっぶー
お岩さん？ ぶっぶー
答えは、崇徳天皇
といってもピンとこないでしょうが
昨年のＮＨＫ大河ドラマ『平清盛』を
ご覧になって方は、あああれねとわかるかも。
水口の弟松田翔太が演じる後白河法皇の仕打ちに
讃岐で憤死したあの崇徳上皇ですよ。
凄かったでしょう。あの演出（汗）
天皇が天皇家皇室を呪ったわけです。
その呪い「天下滅亡」ですから。
怨霊となった崇徳天皇はその後様々な禍を
皇室に与え続けて、震え上がらせた。
この呪いを100年周期説でその節目節目で
特に怖れました。
天皇家滅亡とは＝革命＝日本滅亡だったわけだ。
この百年クライシス周期説の他に
皇室では干支（10干12支）から60周年周期説の
最初の甲子の年を特に忌み嫌った。
陰陽学ではこの六十年が一巡すると最初に戻る
人間が還暦を迎える赤ちゃんに戻るとして
赤いチャンチャンコを羽織るでしょ。あれです。
天皇家はそれを革命の兆しと考えた。
で、どうしたかというと、お祓いもしましたが
手っ取り早く「年号」を変えた。
先手必勝です（笑）
この100年周期と60年周期が重なるときがある
そりゃありますよね。それが文久四年（1864年）
時は幕末、この間までの八重の桜の時代だ。
文久は元治に年号が改められる。
元治元年というのは杉山茂丸が生まれた年で
そりゃあもう慌しい物騒な年です。
孝明天皇もそうとう焦ったことでしょう。
こりゃあひっとしてヤバイかも（汗）
孝明天皇っていうと毒殺説もある明治天皇の父親。
攘夷論者で知られて尊皇攘夷派の錦の御旗
ところが、イザというときに倒幕に反対。
それで邪魔になって殺されたといわれる天皇です。
まあそれはさておき、孝明天皇がもっとも怖れたのは
要は崇徳天皇の怨念だったいうわけです。
そこで、ゴーストバスターのように対決し
その身を挺して日本の危機を救ったのだとか。
この言い方が気に入らないなら
生贄になったでもいい。
話は一転、靖国問題（汗）
政教分離だＡ級戦犯がどうしたこうした
ともっともらしい正論をぶつけあって
喧しいことはなはだしいのですが
これって、これこそ呪いの呪縛じゃないの？
天皇が参拝したことなとかを
まるで鬼の首でもとったようにいう有識者も
いるけれど、あそこはもともと長州系の神社だから
天皇がいく所ではない。
ただ、歴史のなかで70年前は
「靖国で会おう」といって別れた戦友たちがいた。
これは事実であって、そういう者たちが
英霊として祀られてい、わけです。
それを間違ってる云々といっても
歴史の過去の話であって
タイムマシンにでも乗って
「ちょっとあんた違うよ」
と言えるんだったら、どうぞご自由に。
タラレバいっても仕方ないじゃない。
日本には鎮魂という文化があるわけで
死んだらみんな仏になる思想があるわけです。
Ａ戦犯といっても敗戦国を戦勝国アメリカが裁いた
軍事裁判であって、Ａ級戦犯で裁かれた以外にも
悪いのはうじゃうじゃいたわけです。
Ａ級戦犯には広田弘毅も入ってるんですよ。
先の戦争を「一部の軍部と右翼」だけのせいにして
ホントにいいのか？
Ａ級戦犯だけのせいにしていいのか！
呪いの話だよ、呪縛の話。
怨霊の条件っていうのは
（1）憤死 （2）加害者の後ろめたさ
そういうのって、後ろめたくないのかな。
私たちには必ず親がいて親にも親がいる
自分から逆算すれば、2人→4人→8人→16人・・・
私たちの多くが太平洋戦争の被害者の末裔では
あるけれどこの8人16人32人のなかで
戦争に寄与した極悪人がいなかって
いったい誰が胸張っていえるのか、わたしは知らない。
東条英機だけに罪をおっかぶせていいのか？
松井石根に南京大虐殺の汚名をきせていいのか？
加害者とは私たち自身のことだ。
それでも「後ろめたくない！」
と大見得を切るああた
すっごい神経してるね、日本人なの？
