あかんたれブルース

継続はチカラかな

後味の悪い肉汁定食

For Beautiful Human Life (5)


トラウマ映画というのがあるそうです。
後味の悪さという点では
時計じかけのオレンジ』『未来世紀ブラジル
なんて悪夢の再現のような作品です。
『恐怖の岬』『マタンゴ』『炎の628』
ある場面を限定すれば
『マラソンマン』の歯の神経を抜く拷問
スカーフェイス』のチェーンソーでギダギダ

映画じゃないんですが中村(萬屋)錦之介の
真田幸村』(1966年、TBS)で
家康の暗殺を狙う老婆が片腕を斬られ
二度目の失敗でもう片腕を斬られてしまうシーン。

NHK大河『黄金の日々』でこれまた
信長暗殺に失敗した善住坊(川谷拓三)が
首まで埋められての涙の鋸引き(泣)
そうそう『沖縄やくざ戦争』で室田日出男
ペンチで金玉を潰されたのもトラウマです(汗)

まだ観ていないのですが
これ観たらたぶんトラウマになるんだろなあ・・・
という作品があります。
50過ぎてトラウマってあるのかなあ?
それは第146回芥川賞受賞の
『共食い』(田中慎弥原作)という作品。

ベースにDV(異常性癖)の父子の遺伝が敷かれている
こういう性癖って遺伝するんだろうか?
性行為中、相手に暴力を奮うとよくなる
もしくはそのことで興奮して高まる
前者と後者ではニュアンスが違うのですが
阿部定事件では性行為中に相手(吉蔵)の首を絞める
(窒息プレイ)と「良い」というので
男が「お前がいいんだったらいいよ」と
絞められてたら本当に死んじゃったというのが
真相でした。吉蔵さんはまさに男の鑑です。

こういうのとは違って
相手を傷つけて興奮するのってなんかねえ(苦)
一時期そういう変質者犯罪の本や映画が流行ったな。
FBI心理捜査官ものとかレクター博士とか
ああいう異常者の性癖者の犯行内容や心理を
覗き見たい好奇心はオバケ屋敷と同じで
わかるのですが、しかしはたして
理解できるものなのか?
できたらできたで大変じゃないかなあ(汗)

それより、覗いてはならない世界、
領域なんじゃないかと思うのだ。

それをこの『共食い』って作品に感じた。
しかもこれ芥川賞作品なんだよねえ(汗)
はたして、純文学の領域なのか?
なんでもアリの世界です。

この「共食い」って言葉と恐牛病がシンクロした。
狂牛病の原因はいまだ完全には解明されていない。
一応は、
プリオン蛋白質のみで構成された物質)説が主流

狂牛病(BSE) 正しい知識
http://www.youtube.com/watch?v=FWL2iM-9qY8

この感染ルートとして
肉骨粉(飼料)と子牛用代用乳が疑われている。
肉骨粉っていうのは、廃棄処分の牛の臓器や骨を
砕いて粉にして、飼料にしたもの。

共食いだよ。
牛はもともと草食動物なんですが、動物性タンパク質を
とらせることで発育や乳の出がよくなる。
牛だけじゃなく犬とか猫とか処分された動物すべて
無論、病気とか薬殺処分のがほとんど。

子牛用代用乳も問題にあげらてる。
このなかに肉骨粉が混入していたというよりも
母親の母乳で育てられないのが問題だね。
がゆえに、免疫力が低下するわけです。
狂牛病騒動とは別にそのまんま東が知事時代に
宮崎の口蹄疫は九州の酪農家を震撼させましたね。

鳥インフルエンザとかウイルスが猛威をふるう
家畜の伝染病。これが人間にも感染するから恐い。
渡り鳥が云々といいますが、要は家畜の免疫力の低下
なんじゃないかな。それと、共食い!

雑食とはいえ、共食いはよっぽどのことですよね。
人間だって、極限状態じゃないと選択しない。
その極限状態に至る過程にストレスがある。
昨日の、動画観たでしょう。
牛や豚や鶏といった家畜のストレスは相当なものだ。
そして死んで共食いして循環させていく
それをリサイクルというけれど、最終的には
人間がそれを食べるわけです。

狂牛病を含むプリオン病のなかのクールー病
人間の共食い(人肉食)が原因でした。
これは非人道的、非文明的で、納得できますが
経済に倫理は通用しないようです。
しかしそれで大きなリスクを背負い込むっていうのも
なんか変な話だと思いますけれどね。

ストレス社会といわれて久しい。
「ストレス」という言葉が誕生したのは
ハンス・セリエによって20世紀半ばの
第二次大戦後の話、つい最近の話です。
その定義もいまだ曖昧だ。

躁うつ病が統合失調から枝分かれしたのが1899年、
そこから躁病とうつ病が分離されたのが1960年代。
そして現代に至るまで、医学は人間の脳の解明に
いまだ四苦八苦している。
ストレスの実体もわかっていない。
今ある目先の事実だけを
たよりに確信に結び付けている。
それは効率性だけを追って、利益を追求し暴走します。

そういった価値観や常識で、家畜は劣悪な環境で
ストレスをためて屠殺されていきそれを人間が食う。
それを稚拙なセンチメンタルと嗤い、憤るが
煩わしさを感じるのは理解できなくもないけれど
はたしてそれが効率的なのか、非常に怪しいものです。

病気以前にストレス(毒)肉を摂取してる
毒を食ってるようなものともいえるんじゃない。

倫理観とか人道的という理論で、この問題を
解決できないのであれば、もっと現実的に科学的に
いや危機管理、もっといえば経済的に
そういう悪循環で非効率な不合理な経済システム
なんじゃないかなあ。戦争と同じ。
ナンセンスなマッチポンプだ。

肉食うなといってるんじゃない。
なんでそう過剰反応し強迫観念的ヒス起こすのか
まさかマックの株主でもあるまいに
それともゼンショーの優待券をもってるとか(汗)

相当、毒がまわっていないかえ?
こういうのを負の連鎖というのでしょう。
見直したらどうかという話じゃないか。
いったい何を守ろうとしてるんだ。
お前の牛丼を狙ってわけじゃない。