あかんたれブルース

継続はチカラかな

女の最後屁は人間臭い

ダサイオサムは恥しい(3)


とまあ、これは同性としての視点
はたして異性として太宰に惹かれた
女たちはどうだったんだろう?

永遠の青年といえばそれなりに、だけれど
大人になることを用心深く
否定して疑惑と後ろめたさを抱えて
入水しちゃったわけです。

女はその秘め事のなかで
なにを語りあったのだろうか
はたして太宰は心を許したのだろうか

そういえばちょいす姉さんが
太宰治と自殺した女の人の遺書に
 衝撃を覚えたー。
 よく、あんなこと書けたな。
 黙って死ねって思った」

すこし調べてみました。
心中当日の山崎富栄の日記と
富栄が太田静子に宛てた手紙
(同じ愛人で『斜陽』などのモデル
 というか静子の日記がほぼ登用されてる)
そして、富栄の公式遺書
ちょいす姉さんがいったのはこの遺書かな?

「私ばかり幸せな死にかたをしてすみません。
 ・・・省略・・・
 (前夫との短い結婚生活をふりかえる)

 骨は本当は太宰さんのお隣りにでも入れて
 頂ければ本望なのですけれど、
 それは余りにも虫のよい願いだと知っております。
 太宰さんと初めてお目もじしたとき
 (省略)
 私の心にピンピン触れるものがありました。
 奥名(前夫)以上の愛情を感じてしまいました。
 御家庭を持っていらっしゃるお方で
 私も考えましたけれど、
 女として生き女として死にとうございます。
 あの世へ行ったら太宰さんの御両親様にも
 御あいさつしてきっと信じて頂くつもりです。
 愛して愛して治さんを幸せにしてみせます。
 せめてもう一、二年生きていようと
 思ったのですが、
 妻は夫と共にどこまでも歩みとうございますもの。
 ただ御両親のお悲しみと今後が気掛りです。」


なるほどですねえ。
まあ死人にくちなしなので
生きてるうちにと、思ったのかな。
これとは別に
わたしは『斜陽』のラストの一節で

「私はもうあなたに、何もおたのみする気は
 ございませんが、けれども、
 その小さい犠牲者のために、一つだけ、
 おゆるしをお願いしたい事があるのです。
 それは、私の生れた子を、たったいちどで
 よろしゅうございますから、
 あなたの奥さまに抱かせていただきたいのです。
 そうして、その時、私にこう言わせていただきます。
 「これは、直治(弟)が、或る女のひとに
  内緒に生ませた子ですの」
 なぜ、そうするのか、
 それだけはどなたにも申し上げられません。
 いいえ、私自身にも、なぜそうさせていただきたいのか、
 よくわかっていないのです。でも、私は、どうしても、
 そうさせていただかなければならないのです。
 直治というあの小さい犠牲者のために、
 どうしても、
 そうさせていただかなければならないのです。
 ご不快でしょうか。
 ご不快でも、しのんでいただきます。
 これが捨てられ、忘れかけられた女の唯一の
 幽かすかないやがらせと思召おぼしめし、
 ぜひお聞きいれのほど願います。」


嫌がらせだそうです(汗)

これは太田静子の言い分。
はてさて、本妻の気持ちは・・・(恐)


ぼくたちの失敗
「太宰には森田童子がよく似合う」馬。