あかんたれブルース

継続はチカラかな

さよならマーガリン

I&U研究所(1)


昨日のニュースで今月7日
トランス脂肪酸、米で全面禁止へ」
というのがあった。
かねがね健康に対する悪影響が問題視されて
いましたが遂に米食品医薬品局(FDA)は
動いたわけだ。動かざるおえなかったかな。

植物油のことだよ。
一番直結してるのがマーガリンだ。
半年以上前から騒がれていたよね。
アリも寄り付かない。
ゴキブリだって見向きもしない
あれはプラスチックだって(汗)

最近、マーガリンのCM
テレビでみないと思わない?
業界も戦々恐々だったんじゃないかな。
それと、いまスーパーなんかで
マーガリンが大安売りだそうですが
消費者は見向きもしないそうです。
大安売りでも買わない中国食品みたいだね。

たださ、マーガリンはモロだから
わかりやすいけれどお菓子類はねえ
植物油の揚げ物油をどこまで
気遣えるものなのか。

日本の規制が緩いのは欧米人ほど
油を摂らないからだそうですが、それって(汗)
また、米国国内で捌けないからって
じゃあ日本で処分してもらおうなんて嫌だなあ。

とは別に、
わたしは違うことを考えています。
今年の7月、NHKの土曜ドラマ
『七つの会議』(原作池井戸潤)のオンエア後
カネボウの美白問題が露見しました。
ドラマではネジの欠陥商品の隠蔽がテーマで
親会社との関連はカネボウの親会社花王
彷彿させられた。
そして8月には『半沢直樹』が最終回と同時に
みずほの問題が噴出。これも原作は池井戸潤
どちらも内部告発からなのでしょうが
偶然にしてもタイミングがねえ・・・

それ以外にも内部リークは頻繁に起きていた。
秋田書店やらぴあやら、なかには
飲食店関係のアルバイト店員による自爆テロという
徒花もありましたが、
ネットの進化も影響してることでしょう。
そして今回のホテル・レストラン、
スーパー、百貨店などゾロゾロだ。

わたしはこれが偶然か意図的かということは
あまり問題ではないと思うのです。
たとえば、これが偶然だったとしても
それはトレンドというか時代性というか
必然だったんだと思う。
また、意図的だったとしたら、誰が?
となれば、厚生労働省とか金融庁財務省など
各省庁じゃなかったのではないかと想像してしまう。

私たちはマスコミの影響から
官僚・霞ヶ関を即、悪の権化と連想しちゃう。
ま、半分は当たらずしも遠からずなのでしょうが
半分は的外れだとも思う。

テクノクラートだって悪気があって
日本をダメにしようなって思ってはいない。
国家がダメになれば自分たちの宿主を殺してしまう
サナダムシだって理解してることです。
官僚は回虫以下だっていう言い分は小気味いいかも
しれませんが、まあそれまでの話だ。
日本が安泰で栄えているからこその公務員なのだ。

政治家より以上に権力を掌握していると
思われている官僚ですが、ところが実は
思い通りにならないジレンマがある。
たとえば、民間企業だ。民業の圧迫とか喧しい。
また政治家にも圧力をかける。
と思えば、
文科省の敵は現場の教職員ですからね。
(中央と地方の対立抗争があるのだ)
そして、マスコミ。
つまり世論、民衆、国民なのだ。
と、わたし如きがいってもなんの説得力もなく
何様だと鼻を鳴らされそうなのでブー

知の巨人マキャヴェッリに代弁してもらえば
「統制のとれない群衆ほど何をしでかすか
 予測のつかない恐ろしいものはない」
「民衆は群れをなせば大胆だが
 個人になれば臆病である」
「民衆ほど軽薄で首尾一貫性のないものない
 卑劣な奴隷か、傲慢な主人か
 このいずれかしかないのが本質だ」
「民衆は表面上の利益に幻惑され
 自分達が破滅につながることさえ望む」
「その賛同を得るにはどっちがトクでどっちが
 損かを教えることである」
「変革というものは、ひとつ起きると
 必ず次の変革を呼ぶようにできている」

「結果さえ良ければ、手段は常に正当化される」

「もし偉大なことを成し遂げたい思うならば
 人(民衆)を誑かす、つまり権謀術数を
 習得する必要がある」

脆弱な国家は常に優柔不断だといいます。
それが故に決断に手間取り有害を生む。
それがあたかも民主主義の代償であり
危険を回避させるための安全弁のように
考えるものもいるけれど
民衆は臆病で軽薄で卑屈で傲慢な性質がある。

そういうものに失敗をなにより怖れる
テクノクラートたちが正面から向き合うものですか。
また、そういう誠実さなどなんの効果もない。
ある程度の被害や損を肌身に味あわせて
必要に迫られるまで後手にまわる。
その機会を注視しながら、
多少の批判は浴びても、それしか動かすことは
できないと考えているのだ。
頃合かなと思っても、それでも動かない。
もっともっと悲劇が必要だということです。

陰謀論者は権力者を裏社会の、とか
闇の社会の、帝王魔王のように形容する。
まあ、それならそれでもいいけれど
じゃあどうするの?といえば
気をつけろとか注意を促せというぐらい。
それが効果絶大なんだとか。

マーガリンが食卓から消えた。
すくなくとこ我が家はもうマーガリンは買わない。
闇の権力者の世界征服にマーガリンなんて
なんか月とスッポンのようですが
こういうことからなんだと思うのです。
マーガリンだけじゃない!っと憤る人もいるでしょうが
まず、マーガリンは駆逐できたわけだ。

「変革というものは、ひとつ起きると
 必ず次の変革を呼ぶようにできている」

TPPはそれこそ米国の陰謀なんでしょうが
わたしはよかったと思いますよ。
これがなかったら、この危機感があったから
今回の食品偽装もこれまでの一過性のことで
時間が経てば忘れられたと思う。
これがなかったら厚生労働省も表示規制できなかった
かもしれませんね。米国の圧力というよりも
国内企業の圧力から。

厚生労働省が何が嫌かっていえば
後々で健康被害を訴えられる薬害訴訟を起こされる
「失敗」「汚点」を残すことなのだ。

食の安全性は世界的なトレンドです。
米国がもし自国の利益を求めるならば
世界各国が納得するような安全基準にすれば
いいだけの話で
なにも一企業の悪徳のために
自由主義や資本主義、ましてやアメリカの威信を
信用すべてを失墜させることはないと
思いますけどね。

私たちの防衛は、軍事力云々だけじゃなくて
消費者マインドの価値基準をすこし変えていくこと。
水が高いところから低いほうに流れるように
企業はその動向を追って努力するものです。

マキャヴェッリはこんなこともいっている。
「無理強いされた協約を破棄することは
 恥ずべき行為ではない」

別に国が破棄しないまでも
国民が選択しなかったらいいんじゃない。
カナダやオーストラリアもバカじゃないんだから
絶好のビジネスチャンスにするかもよ。
そうなったら米国はまたしてもチーン
そういう自国の保護政策がゆえの
間抜けな国家戦略だ。
日本政府も外務省も
それぐらいの脅しをかけてほしいものですね。
それもこれも私たちの意識にかかっている。