あかんたれブルース

継続はチカラかな

タカになりたい



色々批判される『ゲド戦記』ですが
今夜金曜ロードショウで放映されるので
またぞろ色々ネタにされているようです。

わたしはそんな嫌いじゃないんだけどな(汗)
すくなくともポニョとかアリエッティとかぽんぽこ
よりもずっといいけどなあ
ま、個人的な趣味ということでもいいけれど。

いろいろ考えさせられる作品です。

人間とは相対的に物を考える生き物だといいます。
そういうなかでアイデンティティーを求め
それを渇望している。が、なかなかねえ
それが難しい。それを自由と置き換えてもいいよ。

で、手っ取り早く
相手を否定することで自分を肯定する
という手法をとる。
ここにイジメや意地悪やDV(精神的なも含め)
がある。
こういうのは恥しい行為なのだ。
これ、おぼえておいて損はありません。

ゲド戦記』のオープニングで主人公は
父親を殺す。特に遺恨があったわけではない。
またそのことを悔やみ引きずってドラマは展開。
未成熟(モラトリアム)な彼がどうしても
越えなければならない象徴を「父親」と
重ねたものでしょうが
ここに私たち現代人の傾向も投影させられる。
(それに感情移入するかしないかは別ですが)

心理学的にいえば
父親に対するエディプスコンプレックス
母親に対する阿闍世コンプレックス
みたいな感じでしょうが
もうちょっとニュアンスは広範というか
様々な困難、壁をそういう短絡的な解決法で
回避(逃避)してはみたが・・・といった
感じではないでしょうか。
オチとしては結局それじゃあ解決しない
というものです。

しかしさあ、アイデンティティーは欲しい
だけどそうそう簡単にはいかない。
無理筋を通して開きなおり
「私はこれでいいんだ」という
窮屈、言い聞かせ、我慢劇になりかねない。
わけですね。
不遜や驕りが生じてしまうわけだ。

その意味では主人公は愚かではあっても
まだ正直者だったというわけです。
そうじゃない人は多いかもしれませんけど。

わたしは「うつ」の人を憎めないのは
まだそういう誠実さ(葛藤)があるから
じゃないかなあと思うのだ。
逆に、どうだこれが俺がアイデンティティーだ!
と胸を張られると
「そりゃまあ結構なこって」とたじろいでしまいそう。

そういうオヤジたちがいたものです。

巨人の星』の星一徹がそういう象徴でした。
その声を担当した加藤精三氏が死去したとか 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140117-00000164-jij-soci
 
声優としてコレっていうキャラの印象が強いと
どんなですかね。
飛馬や明子までならなんとかできますが
一徹の声が洋画劇場に登場すると、引くわ(汗)

話がズレました。

結局、『ゲド戦記』は
小此木啓吾曰くの「悔やみ」と「モラトリアム」が
テーマなんだと思う。
そして、主人公は自分のことばかりで悩んでる。
それが未熟の所以なんでしょう。

そんななかで、
(他人)人間に心を開かなヒロイン
テルーの存在は救いです。
主人公だけでなく、
観る者にとっても(たとえばわたしにも)。

捉え方によってはテルーも主人公同様に
厄介でめんどくさいタイプですよね。
わたしはどうもこういうタイプに弱い。
(個人的な趣味でしょうが)

この作品が割りと好きなのは
テルーの存在と彼女が歌う「テルーの唄」の
影響が大きいと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=_SuSYk3dlI8

手嶌葵の魅力といえばそれまでですが
沁みる歌だよなあ

7年前に父親が亡くなって
そのときYという女性が歌ってくれた。
困った性格の人でしたが
わたしに愛というものを教えてくれた人です。
ほんとはね彼女自身がそれを求めていた。
永遠の愛というものを。
可哀想なやつでさ
そして嘘つきなんだ。
生きるために嘘をつくんだ。
彼女も双極性障害だったと思う。
そして彼女をそこまで追い込んだのは
彼女の夫だった。

そういう関係性の夫婦って多い。
自分を肯定するために相手を否定する。
否定され続けられるものはたまったものじゃない。
そりゃあ精神も病むよ。
よっぽど強かでないとね。
人間はそんなに強くないもの

弱者が弱者を苛む

こういう負の連鎖っていうのは
どこかで歯止めをかけないといけない
と思うよ。

わたしはタカになりたい


夕闇迫る雲の上 いつも一羽で飛んでいる
鷹はきっと悲しかろう
音も途絶えた風の中 空を掴んだその翼
休める事は出来なくて

心を何に例えよう 鷹の様なこの心
心を何に例えよう 空を舞うような悲しさを

雨のそば 降る岩影に 
いつも小さく咲いている
花はきっと 悲しかろう
色も霞んだ雨の中 薄桃色の花弁を
愛でてくれる手も無くて

心を何に例えよう 花のようなこの心
心を何に例えよう 雨に打たれる切なさを

人影途絶えた野の道を 私と共に歩んでる
あなたもきっと寂しかろう
虫の囁く草原を 共に道行く人だけど
絶えて物言う事も無く

心を何に例えよう 
独り道行くこの心
心を何に例えよう 
独りぼっちのこの寂しさを